感動と思い出を演出する鉄道旅
「あ!あの電車見て、スゴイ!」
子供だけでなく大人もつい目を引く外観の列車、山口県内でもよく見かけるようになりました。
デザインは、人気キャラクターをあしらったものから地元スポーツチームを応援するものまで様々。カラフルな装いで、見ているだけでもワクワクしてきますね!
それだけではありません。
内装は贅沢に改造され、地元食材を使ったお弁当やお酒が車内で提供され、そして絶景スポットでは速度を落としたり一時停止したり……近年「安全で速く目的地へ」だけでなく感動や思い出を演出するコンセプトの列車が全国各地で生まれています。SNSで「素晴らしい!」「また乗りたい!」とのつぶやきを目にすることも増えてきました。
感動体験を演出してくれるのは、きれいな外観や豪華な内装だけではありません。
下関駅のホームでは最近、利用客を和ませる話題の女の子がいると聞きつけ、筆者は今回、会いに行ってみることにしました。
3歳の女の子は「鉄子」ちゃん!
多賀みなみちゃん、3歳。
ご両親はともに鉄道ファン。SLやまぐち号を撮影したり乗車したりするうちに出会われたのだそうです。
みなみちゃんが産まれてからは、これまで撮影してきた山口県内外の列車の動画を毎晩、絵本の読み聞かせのようにみなみちゃんに見せてきたのだとか。
こうした「英才教育」で、みなみちゃんにとって、鉄道に触れる毎日が当たり前のようになっていました。優子さんに連れられ、下関駅を発着する寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(トワイライトエクスプレスみずかぜ)を一緒に見送るようになったのも自然なことでした。
列車と同じ深緑色の洋服を身にまとい、「瑞風」がゆっくり走りだすと、
「いってらっしゃーい!」
クルーに手を振るようになったのです。
下関駅の名誉駅長に
寝台列車の出発に小さな女の子がお見送り……
2017年の運行開始から2年。悪天候だった1回をのぞき、「瑞風」の運行日には欠かさず手を振りに来ていた姿に、駅の利用客やクルーたちの話題となりました。JR西日本からの熱いラブコールも受け今年、みなみちゃんは下関駅の名誉駅長に就任しました。
その後、週末に運行される観光列車「○○のはなし」の出発にも立ち会うようになりました。
「制服」の法被や、名誉駅長のタスキをかけて、優子さんと一緒に乗客や車掌さんに声をかけてまわります。そのあどけなく愛嬌をふりまく姿に、地元ではちょっとした人気者になりました。
「スーパーで買い物をしている時も声がかかることがあります。先日はバスに乗っていると、『みずかぜちゃん、今日はどこにお出かけ?』と話しかけられたんですよ」と優子さん。
家族で「瑞風」に乗るのを夢に……
最後に、みなみちゃんにこれからどのように成長していってほしいか?優子さんに尋ねました。
「これからも周りの皆さんに育てていただきながら、笑顔の絶えない子に育ってほしいですね。名誉駅長の任期は永遠ですが、これから幼稚園や小学校に入ると、今ほど時間はとれなくなるかもしれません。でも任務は全うしていきたいです。あと、家族で『瑞風』に乗車できるように、今からしっかりとお金を貯めていかないといけませんね!」と筆者にほほ笑みかけるのでした(笑)
スピード重視の旅ではなく、たまには車窓から優雅な景色を眺めながら地元の食材に舌鼓を打つ、そんなスローな旅もよいものです。今回の取材を通して、列車のデザインの工夫だけでなく、みなみちゃんをはじめとする人との温かい交流が、鉄道旅の一つであることに改めて気づかされました。
ガタンゴトン、ガタンゴトン……。レールのジョイント音をBGMに旅に出かけてみませんか?そして、下関駅へみなみちゃんに会いに行ってみませんか?
*******
TWILIGHT EXPRESS 瑞風
URL:https://twilightexpress-mizukaze.jp/
観光列車「○○のはなし」の話
URL:https://www.facebook.com/観光列車〇〇のはなしの話-1529991917082884/
取材時期:2019年9月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
echo $txt; ?>
} ?>