周南市若宮町。「PH通り」と呼ばれる道路沿いに9月上旬、小さなカフェバーがオープンしました 

「徳山夜喫茶  

カフェの看板

扉を開けると、オレンジ色の裸電球に照らされた小さな空間が広がっています。カウンターは4席。ミディアムテンポのジャズが静かに流れるなかただ座っているだけで心が癒されていくようです  

内観

ヨコハマのランドマークホテルから、周南に

 「女性が1人でも、安心してお酒を楽しめるお店を目指しています」と、オーナーの松嶋和夫さん。「カフェでお茶を飲む感覚で、カクテルを楽しめる場所にしたくて」 

松嶋さんは鳥取県出身。昨年まで、横浜港のランドマークのひとつ「ヨコハマ・グランドインターコンチネンタルホテル」のバーでシェーカーを振っていました周南市に暮らしている友人からカフェバー開設のアイデアを聞き、「面白そう」と移住。店内のリノベーションなど、準備を続けてきました。 

松嶋さん その松嶋さんがつくるカクテルは、20種類以上。メニュー表には、バナナシェイク風カクテル「バナナダークラムフローズン」や、「ティラミス風カクテル」など、女性好みのものが並んでいます。 

取材当日、車で来ていた筆者のために松嶋さんが作ってくれたのはジンジャエールショウガだけでなく、スパイスハーブを数種類ミックスしたオリジナルで、乾燥させたレモン浮かべています。飲んでみると、ジンジャー特有のスパイシーさよりも、「優しさ」を感じるまろやかな味わいでした。 

ジンジャー

「ノンアルコールは現在、14種類。お酒苦手な方にも楽しんでいただけるように、カクテルに負けないクオリティのものを揃えています」 

バーですが、ちょっとした食事も楽しめます。

メニュー

「夜間に食べてもうしろめたくないものを」 

ローストビーフ、白身魚のフリット、キーマカレー……。すべて、調理担当の波賀野瑞希さんが丁寧にっています「お酒に合うことはもちろん、女性が夜間食べるものなので、うしろめたさを感じないように工夫しています」。どれも低カロリーで、添え物や具材に野菜を多めに使っているとのことです。 

波賀野さんは東京都出身で、こちらに来るまでは東京の高級欧州車メーカーに勤務松嶋さんと共通の友人から誘いを受け、まったく畑違いの業界に飛び込んできました。「調理の勉強はそこから。色んな店で食べまくって研究しました」。若い女性を意識した優しい味付けが特徴で、すでにァンも生まれ始めています。 

お店の奥には、白いレースに囲まれたテーブル席も。 

「ここは天蓋(てんがい)席。ちょっと特別な空気感でお酒を楽しみたい向けの空間です。きっといるだけで幸せを感じられると思います(波賀野さん) 

天蓋

さすがに筆者はここに座る勇気はありませんでしたが、女性同士で時間を忘れてまったりするには、ぴったりなのかもしれません。 

このほか、店内にはDJブースも。これからはDJを呼んで、その日の空気感に合わせて自由に回してもらうことも考えているそうです。 

注ぐシーン

徹底して女性目線の店作りですが、内装などは仲間内の男性だけで3ヶ月かけて作り込ました「どうしても女性の目線を入れたくて、店内装だけは周防大島町のフラワーアーティストの方に頼みました。これかも、女性目線を取り入れながらより居心地のいい空間に進化させていきます」と松嶋さん話しています。 

グラス

このまちに感じる、発展の可能性  

ところで、関東から移り住んだ2人の目に、周南市はどんなふうに映っているのでしょうか? 

波賀野さんは「徳山駅前がきれいに整備されたばかりで、これから発展していく可能性を感じています。移住者も増えていると聞いているので、このお店が『新しい徳山』をつくるひとつのきっかけになれたら」。松嶋さんは「建物低く、空広くて、とても心地いいまちですね自分にできることをして、地域の人に喜んでもらえたら嬉しいですお客様お一人お一人に、心を込めたカクテルを提供し続けていきたいですねと話しています。 

2人

2人が生み出す小さなしずくが、これから周南市の夜にどんな流れを生んでいくのか、楽しみです。 

徳山夜喫茶 雫

住所|山口県周南市若宮町2-37 

営業|17:00~24:00 

定休|水曜、木曜