日本三名橋の一つ「錦帯橋」で知られる、山口県岩国市。みなさんは錦帯橋観光に行かれた際、何をして過ごされていますか? 橋の繊細な木組みを眺め、周辺を散策し……それだけで帰ってしまうなんてもったいない!今回は、地元の方とおしゃべりしながら岩国の歴史や文化を体験できる穴場スポットをご紹介します。 

築170年以上の建物を利用したビジターセンター 

外観

錦帯橋から南へ徒歩3分。江戸時代の風情が残る城下町エリアの入口にあるのが、2017年にオープンした岩国市観光交流所「本家 松がね」す。かつて岩国を代表する商家だった築170年以上の建物を修繕し、岩国市と指定管理者である地元まちづくり会社、地域の有志の 方々によって運営されています。 

内観

岩国れんこんガラスや地ビールなど岩国の特産品が展示されている

試食

奥のイートインスペースでは地酒や郷土料理などの試飲・試食を手ごろな価格で楽しめる

こちらでは岩国の観光や特産品の情報を知ることができ、観光中の休憩所としても利用できるほか、地元の方と交流できる場が提供されています。 

地域住民の方による様々な体験イベント 

004甲冑体験錦帯橋

本家 松がねでは、週末を中心に様々な体験イベントが行われています。例えばこちらは、岩国観光プロモーション戦略協議会の主催で、観光ガイドの波羅一彦さんが所属する岩国藩鉄砲隊保存会が着付け等を担当する甲冑(かっちゅう)体験。12kgもある本格的な甲冑を着て錦帯橋で記念写真を撮ることができます 

ひと口に「着る」と言っても、そこはやっぱり江戸時代の衣類。ジッパーもスナップボタンも無い時代なので、肩に、腕に、足に、胴に、とにかく全身、甲冑を身体に固定するためのヒモだらけ。 

今回モデルになってくださった方は、右半身を波羅さんが着付け、左半身はご自身で着てみたとのこと。「肩やひざが意外と動きやすくてびっくりしました」と言っておられました。 

005甲冑体験出口

本家 松がねを出て錦帯橋へ。兜飾りの影響で腰を深くかがめてのれんをくぐる姿がシュール。実際にやってみないと分からないことがたくさんある

イベント中のおしゃべりも楽しみの一つ  

006波羅さん

甲冑体験の波羅さんはご先祖が代々錦帯橋の架け替え工事を担っておられたという生粋の岩国人。岩国のことなら何でも知っています。 

筆者がイベント中に伺っただけでも、錦帯橋の北側にはお殿様と上級武士が住んでいて、南側には商人と中下級武士が住んでいたこと、城下町一帯で見られる「歴史的町名」の秘密、錦帯橋がアーチ状に作られた理由や、現在も江戸時代と同じ構造で架け替え続けられていることなど、いろんなことを話してくださいました。 

甲冑体験を始めた理由をお尋ねすると、「最初は岩国藩鉄砲隊のことを伝えるために火縄銃のイベントをやっていたのですが、観光客の方により気軽に楽しんでいただけるものはないかと考え甲冑体験を始めました」(波羅さん)とのこと。 

「それでは、火縄銃の使い方ご説明しますね!」と言って、意気揚々と銃を手に取った波羅さん。(いや、そんなこと聞いても記事にできないから……)と全力で止めようとしたのですが、実はこの火縄銃の使い方、誰もが一度は聞いたことがあるあの言葉の語源となっており、思いがけないアハ体験となりました。みなさんも、ぜひ最後まで聞いてみてくださいね。  

岩国のことを自然に知ってもらえる場所に 

007こぬか踊り手

岩国七町(本家 松がねのある城下町)で踊り継がれてきた伝統的な盆踊り「こぬか踊り」

この後、さらに2つの体験イベントに参加しました。こちらは月に一度のペースで開かれている「こぬか踊りサロン」。こぬか踊り保存会の方たちの、「めちゃくちゃオープンな定例会」なのだそうです 

008こぬか観客

観光客も、踊りたければ参加してOK、観覧だけでももちろんOK歌の合間に踊り手さんに話しかけることもでき、希望すれば太鼓も叩かせてもらえます。 

009篆刻体験

こちらは篆刻(てんこく)体験。篆書体というフォントで専用の石に好きな文字を掘り、オリジナルの印を作って持ち帰ることができます。 

010はんこ

「博」の篆書体。左上は「錦帯橋」と彫られた印。篆刻を明から日本に伝えた独立性易(どくりゅうしょうえき)は錦帯橋の創設に大きな役割を果たした

最後に、館内をアテンドしてくださった中本吉彦さん参与 本家 松がね運営管理責任者)にお話を伺いました。 

011中本さん

「波羅さんを含め、活発に活動されている地域の方々とのお話が楽しかった。みなさん熱かったです」とお伝えすると、中本さんは「そうでしょう」と言ってニヤリと笑い、地域を盛り上げている方たちと観光客の架け橋になるのが、私たちの役割の一つだと思っています」と続けました。 

観光に来られたお連れさまの中で錦帯橋の急な傾斜を歩けない方の待機所として来ていただいても良いですし、トイレ休憩のみのご利用も歓迎です。そういったときに偶然ここで見聞き・体験したものをきっかけに、岩国のことをもっと知っていただけたらと思っています(中本さん) 

地域の方とのおしゃべりを楽しみながら、岩国の歴史や文化を体験できる本家 松がね。みなさんも岩国を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください 

 

岩国市観光交流所「本家 松がね」

施設概要|観光客の休憩所としての利用、地元と観光客が交流できる場の提供、岩国の観光情報及び特産品情報の提供 

住所|山口県岩国市岩国1丁目7-3 

開館時間|9:00~17:00 ※4月~8月は18:00まで

休館日|なし

TEL|0827-28-6600

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