錦帯橋近くの人気野菜ランチ店が気軽なカフェに 

山口県岩国市。日本三名橋のひとつに数えられる錦帯橋やロープウエー乗り場などのすぐ近くに、徹底し素材へのこだわりで評判お店があります。  

「錦帯橋カフェ わたぼうし」 

外観

このお店、以前は「菜食キッチン わたぼうし」として10年近く営業。野菜をメインにしたランチが人気で、筆者も何度か食べに来たことがありました2018年末から休業して店舗を新築。約1年後の201911月、カフェとして生まれ変わりました。 

かつての野菜ランチに近いものを……とメニューを開くと、ありました。国産野菜の「せいろ蒸しランチセット」。迷わず注文。ふたを開けると、キャベツ、カボチャ、ブロッコリー、サツマイモ、トウモロコシなどが「どん!」と入っていました。 

せいろ蒸し

自家製のシュウマイもとってもジューシー。おにぎりやスープもついていて、十分におなかいっぱいになりました。  

それなのに、甘いもの欲しくなるから不思議です。
デザートを探すと、以前にはなかったソフトクリームの文字が。運ばれてきたグラスには、クリームがたっぷり入っていました。 

ソフト

砂谷牛乳のミルクで作ったソフトクリーム

このソフトクリーム。すぐに形が崩れ始める一般的な商品とは違って、生地がしっかりしています。口の中でさらっと溶けるのに、味は濃厚です 

聞けば、自然循環型で牛を飼育されている広島の砂谷(さごたに)牛乳のミルクを使っているとか。いろいろ探した結果、生乳の風味を感じられるここの牛乳が一番おいしかったのでと、オーナーの大原美世さんが教えてくれました。「グラタンのホワイトソースもこの牛乳で作っています。どうやら素材へのこだわりは、新しいお店でも健在のようです。 

大原さん

お客さんと談笑する大原さん(右)

予約でいっぱい。でも「心苦しかった」 

大原さんにお会いしたら、ぜひ聞いてみたいことがありました。それは「あれほど人気だったお店を、カフェに変えたのはなぜ?」ということです。 

大原さんからの答えは、予想外なものでした。
前のお店はヘルシー志向の女性たちに好評でランチ会などで利用も多く、予約だけでいっぱいになる日も珍しくありませんでした。から見れば、はやりの店そのものです。 

けれど、大原さんはその状況に胸を痛めていたといいます
「近所の方がいらっしゃってもお断りせざるを得なかったり、楽しみに来ていただいたご高齢の方にお食事を提供できなかったり。そういうのが本当に心苦しくて。いつからこんなに敷居が高くなったんだろうって 

23年悩んだ末に、気軽に入れるカフェとして生まれ変わる決意をします店舗が老朽化していたこともあり「今後、何十年と続けていけお店にしよう」と、建て替えました 

内観

当然、それまでのお客さんを失うリスクを伴いましたけれど大原さんに後悔はありません。「いまは近所のおじいちゃん、おばあちゃんがコーヒー飲みに立ち寄ってくれたり、の除草作業後に男性がモーニングを食べに来てくれたり。そんなお店になってきたのが嬉しいんです。もともと、そういう場所をつくりたかったので 

そのモーニング。ブレンドコーヒー(420円)やミルク(320円)などドリンク一杯分の価格で、厚切りトーストとみそ汁、またはサラダなどが付いてくるお得なセットになっています。500円玉ひとつで、おなかも心も満たして1日をスタートしてほしい」との大原さんの思いが込められています 

モーニング

モーニングセット。ドリンクのみの価格で、厚切りトーストやヨーグルトが付いている

 徹底したこだわりは、さらに加速 

カフェになってから、素材へのこだわりは一層増しているようです。
トーストやコッペパンなどは山口県産小麦「せときらら」を100%使ったオリジナル。お土産のもなかには、国産もち米で作られた三谷製菓(広島県)の皮を使用。ぎっしりと詰まったあんは、北海道産あずきに金時豆を混ぜ、きび砂糖で味付けた自家製です 

もなか

このもなか、皮の芳ばしい香りとともに、小豆と金時豆の異なる食感が楽しめます。甘さも控えめで、いくらでも食べられそう。「何度も買いに来られる方がたくさんいらっしゃいます。一番の人気商品ですね」(大原さん) 

お店のおいしさを「自宅でも」 

新しくお弁当の販売も。煮しめ」「唐揚げ」、その両方が味わえるミックス3種類。当然、おかずはすべてお店で丁寧に調理したものばかり。お昼に軽くというより、夕飯として量も栄養もしっかり取れるように考えて作っているとの。ぬくもりを感じられるものをと、弁当箱は広島県の専門業者に特注した木箱を使っています。 

弁当

唐揚げ弁当

そうしたこだわりを最も象徴しているのが、だし。いりこ、こんぶ、かつお、しいたけを使った昔ながら和風だしで、煮しめやみそ汁など、多くのメニューに使われています。前身のわたぼうしから変わることのない、深みのあるやさしい味の秘密がここに。以前から評判だったため、「お家でも使ってほしい」とパックにして発売も始めました。 

これからも徹底してアナログ  

お店は基本的に無休。女性ばかりの約20人のスタッフと「よりお客さんに満足していただくためには……」と常にアイデアを出しい、進化し続けることを心掛けているそうです。 

そんな大原さんには、昔から変わらず大切にしているひとつの信念がありますそれは手作りに勝るものはないということ。どんなに手間と時間がかかっても、効率が悪くても、これからも徹底してアナログで、いいものを提供していきたい。これまで頑張ってきた日々を誇りに、これからもスタッフ全員で初心を貫いていきますと話しています。 

話す大原さん

 

執筆時期:2020年2月
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錦帯橋カフェ わたぼうし

住所|山口県岩国市横山2丁目6-335

営業|8:30~17:00(夏期は18:00まで)

定休|無休

TEL|0827-43-5252

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