周防大島のガーデンカフェRivage

garden
季節の花々が訪れる人の目を楽しませてくれるガーデンカフェ、Rivage(リバージュ)。2020年6月、山口県の周防大島にオープンした、テイクアウトのカフェです。

table
garden
テイクアウトと言っても、敷地内には駐車場やトイレ、テラス席が完備されており、ガーデンを眺めながらゆったりと食事ができます。
 

地元産の食材を取り入れたメニュー

lunch
色とりどりのワイルドフラワーに囲まれながら、カスクートとドラフトコーヒーをいただきました。ドラフトコーヒーとは、特別なマシンを使って淹れた泡も楽しめるコーヒーのこと。

パン
カリッと焼かれたフランスパンに、自家製の厚切りベーコンと新鮮な野菜が挟まれたカスクートは、一口ほおばるとベーコンの旨味と調和するソースの味わいに思わず笑顔がこぼれます。

「このソースが味の決め手なんですよ。周防大島産のみかんとはちみつを煮詰めて作った特製オレンジソースです」

そう教えてくれたのは、Rivageのオーナー、吉田憲治さん。奥様の美保さんとお店を切り盛りしています。

メニューには、自然農法で育てられた島の玉ねぎや、ご夫婦が作ったレタスなど、地元産の食材が主に使われています。

5年の歳月を経て

店員
「5年かかって、やっと開店にこぎつけました」

これまでのヒストリーがまとめられたアルバムを見ながら、話し始める憲治さん。周防大島への移住前は、山口市の小郡で一級建築士として長年仕事をされていたと言います。

「ある時、ふとした妻の一言がきっかけで、今後の人生を考えるようになったんです。当時私は61歳。仕事をいつまで続けるか、年金生活になったらどんな風に暮らしていくのか」

当初は、今のうちにどこかに土地を買おうか、と冗談半分に話していましたが、徐々に「終の住処」を真剣に考えるように。二人で今後の生活スタイルについて条件を出すうち、候補にあがったのが周防大島でした。

憲治さん
「老後の生活には、年金だけではなく多少なりとも収入が必要だと思いました。それなら温暖な場所で喫茶店を営みながら、ゆったりと暮らせたらいいなぁ、と」

憲治さんの言葉に、
「私はまだ夫に建築士の仕事を続けてほしかったんです。周防大島なら、岩国市や周南市、山口市にもなんとか通える圏内だと思って」と美保さん。

実際、建築士はお客様との打ち合わせ以外、ほぼデスクワークの業務。場所を問わないため、移住後も建築士の仕事を続けているそうです。

ガーデンと海

2階のテラス席からはガーデンと海を一望できる

「終の住処」と「喫茶店」を両立すべく、建築士の目線で立地条件や日当たりを考えて、この地に出会ったのは2015年のこと。平地は少しで、あとは山。斜面から木を切り出したり、インフラ整備、地盤作りなどはプロにお願いしたそうですが、その他のほとんどの作業は二人で行なったといいます。

美保さん
「平日は小郡で仕事、週末はキャンピングカーで大島に通い、寝泊まりしながら肉体労働の毎日でした」と笑う美保さん。

想像するだけで、かなりハードな日々だと思うのですが、
「でも楽しかったんですよ。自分たちでやったことがどんどん形になっていくのが見えるので」と当時を振り返ります。  

建築士の経験を生かして

house
ちょっと変わった構造のご自宅は「ピロティ形式」と呼ばれるもの。

「建物部分は木造で、土台は鉄骨なんです。土砂崩れなど災害があってもかわすことができ、通気性がいいので腐食しづらく、また道路と高低差ができるので通行者と目が合わない。景観もよくなるんですよ」

ここにも、憲治さんの建築士の目線が生かされています。Rivageが完成するまでの5年間には、集中豪雨、土砂崩れ、断水、新型コロナの蔓延など様々な困難がありました。取材のつい数日前にも、突然の大雨で倉庫が浸水してしまう被害があったばかり。それでもお二人と話していると、多少のことでは動じない余裕を感じます。

「自然との戦い、というよりも、自然と共生していくしかないんですよね」  


ふたりのパラダイス

看板

枕木と針金を使い手作りした看板には「Paradise2019」の文字も

「ガーデニングも石積みも初心者ですが、試行錯誤しながら楽しんでいます。実は私達夫婦は再婚同士で、それぞれに子どもはいるんですが、二人の間にはいないんです。だからこの場所を子どものように感じていて、私達の間では“パラダイス”と呼んでいるんですよ」と、美保さんがそっと話してくれました。

「友達同士や、家族連れはもちろん、失恋、挫折などで落ち込んでしまった方でも一人でふらっと足を運んでほしい。きっとパワーをもらえるから」

石垣

失敗を繰り返して出来上がったという石積み

将来は、裏山に遊歩道を作ろうと計画中のお二人。
憲治さんは山を見上げながら、「5年、10年かかるんじゃないかなぁ」とつぶやきました。

Rivageはまだまだ始まったばかり。
これからふたりのパラダイスが、どんな風に進化していくのか楽しみです。

 

執筆時期:2020年7月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。  

 


Rivage
 

住所|山口県大島郡周防大島町平野10308-1 

TEL|0820-80-4155 

営業時間|10:00〜16:00(ランチタイムは11:00〜) 

営業日|3月〜11月の金、土、日曜日と祝祭日のみ(冬季はお休み) 

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