山口県周防大島のイラストレーター

温かみのある色彩とほんわかしたタッチに心が和む、子どもたちの似顔絵。山口県、周防大島在住のイラストレーター、すなだみどりさんが描いた作品です。
似顔絵制作のほか、地元情報誌や企業パンフレットの挿絵など、主に絵を中心に活動されていますが、最近はイラストレーター以外にも活躍の場を広げているとのこと。お話を聞きに、ご本人を訪ねました。

atelier
訪れたのは、すなださんのご自宅。大きな作業机には、イラストを描くための様々な道具やパソコンのモニターがあります。仕事によってデジタルとアナログを使い分けているのかと思いきや、

「絵の仕事はすべて手描きで行なっているんですよ。私の絵のやわらかい表現は手描きにしか出せないと感じています」

 その答えに納得。色々な媒体で、すなださんの描いたイラストを目にすることがあるのですが、一目見て「これはすなださんの絵だ」と分かるのです。その特徴である温かさ、やさしい感触のようなものは手描きだからこそ伝わるのかもしれません。 

drawing

似顔絵は鉛筆、ペン、水彩絵の具を使って仕上げる

似顔絵の面白さ 

イベントやお祭りなどで似顔絵を描くすなださん。似顔絵の魅力は、どんなところにあるのでしょう。

すなださん
「似顔絵ってストレートなんです。対面なので、お客さんの反応が興味深い。似てる、似てない、上手、とか色々あるのですが、バシッとハマるとこれ以上ない喜びを感じます」

山口県柳井市の高校を卒業後、大阪芸術大学に進学し、その頃から似顔絵を始めたのだそう。当初はフリーマーケットなどに出店料を払って描いていましたが、徐々に周りからイベントに呼ばれるように。今では定期的に依頼のある常連さんもおり、対面以外でも、写真を送り似顔絵を注文される方も多いのだとか。

「ウェディングや還暦など、お祝いごとに依頼される方が多いですね。似顔絵の楽しさを知ってしまうと、自分で絵を描いてどこかへ委託販売するなど考えられなかった」
と話します。 

周防大島への移住 

2015年、結婚を機に周防大島へ移住。故郷の柳井市は周防大島のすぐ隣なので、環境も似ていると思いますが、暮らしには少し変化があったそう。

「引っ越す前から仕事で来ることはよくあったので、知り合いも多くスムーズに生活に入れました。でも人間関係の濃さは島ならではと思います。それと夫が島っ子なので、山で山菜を採ったり、天然の海岸で潜ったりなど、島らしさは感じています(笑)」

 そんな島暮らしの様子を8コマ漫画に描き、山口県の情報誌に連載することに。2019年には、これまでの作品をまとめた島暮らしつれづれを発売しました。 

本

これまでの漫画をまとめた本。道の駅サザンセトとうわなどで購入可能

イラスト

漫画を描くきっかけとなった最初の作品は、(一社)周防大島観光協会のパンフレット

周防大島のマスキングテープ誕生 

移住後も、地域の見所案内図やマップを制作するなど、活動の場を広げていたすなださんですが、2019年4月には子どもが生まれ、しばらく育児に専念することに。 

 「出産後は外に出られない時間が増えました。毎年秋に似顔絵で参加している『島のむらマルシェ』というイベントが開催されるのですが、その年はさすがに赤ちゃんを抱っこしての似顔絵は描けないなぁと思って。それなら何か販売できるグッズを作ろうと思いついたんです」

 そこで生まれたのが、周防大島のマスキングテープ。

マスキングテープ
「車で島を走っている時に、オレンジ色のガードレールが続く海岸線の景色が綺麗で、いつかこの景色を描きたいと思っていました。ちょうど、夫がご当地マスキングテープに興味を持っており、『周防大島のマスキングテープがあると良いのに』という言葉にヒントを得て、ガードレールがオレンジなのは山口県の特徴だし、作ってみることにしました」

 その年の島のむらマルシェには間に合わなかったものの、道の駅や宿泊施設などで販売され、一躍大人気に。

 「使い手によって色々な物語が生まれるのが面白いですね。お店の請求書に貼ってくれる方や、『道はずっと続いていくよ』という想いを込め、受験生にお守りとしてプレゼントしてくれた方もいて」 

子どもの誕生を機に 

赤ちゃん
この春、徐々に似顔絵の仕事を再開し始めた矢先に、新型コロナウイルスの影響で全てのイベントが中止になってしまいました。ですが、意外と忙しい日々が続いていたそうです。

「最近はお店の商品のパッケージなど、デザインや写真の仕事も増えてきました。コロナ禍でもその時できることをやっていた感じです。子育てをしながらなので、無理せずに仕事内容のバランスを取らなければと思っています」

 実は、子どもの誕生を機に、仕事の幅が広がったのだそう。先述のマスキングテープをはじめ、赤ちゃんをモチーフにしたレターセットやポストカードの制作販売。連載の8コマ漫画には子育てエピソードが加わり、面白さが加速しています。子育て支援センターで親子の撮影会を催すなど、島内のママたちとも知り合い、人間関係が多彩になったと言います。

「これからも肩肘張らずに、出会いを恐れずに、色々な作品を生み出していけたらいいですね」

ママになりパワーアップしたすなださん、今後のご活躍がますます楽しみになりました。

 

 

執筆時期:2020年7月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。 

 

 

 

すなだみどりさん 

メール|mizo_rom@yahoo.co.jp 

ブログはこちら