山口県山口市。幹線道路から外れ、緑溢れる景色のなかを車で走っていると、白い壁の小さな店舗があります。  

COFFEE AND PLANTS」。お店の周りに配置された植物が、背景の森と一体化しているように見えます入り口前には、多肉植物も植えられていました。 

扉を開けると、木漏れ日の溢れる空間が広がっています。 

コーヒーを注文すると、「ドリップよろしいですか?」とカウンターから柔らかな声が響いてきました。オーナーの松尾良紀さんが手際良く、そして丁寧に淹れてくれたホットコーヒーは、ほのかな酸味とともに深みも感じられるバランスの良い一杯でした。

店名に「プランツ」とあるだけに、店内には観葉植物が並んでいます。
「コーヒーのお店だけど、植物がメインでもあるんですよ。バリスタとかそういった修業はしていないけど、造園の仕事はずっと続けているので 

アパレル→造園→脱東京、そしてカフェ 

松尾さんは造園のプロとして長年活動し、いまもビルの壁面緑化などの仕事を続けています。では、どうしてカフェを始められたのでしょうか? 

「なんでこの道に?っていうのは、造園を始めたときにもく聞かれましたね」松尾さんはそう言って笑うと、これまでの経緯を話してくれました。30歳過ぎまで、福岡市のアパレル販売の会社に9年間勤務。店長も任されていたそうです。その後、「手に職をつけよう」と考えて全く畑違いの庭師を目指すことを決意。東京に移り住み花屋さんで1年、造園業者で3、現場を踏みながら知識と技術を身につけました 

「でも、だんだんと東京がしんどくなってきたんです。乗車率120%の電車で毎朝通勤するのとか……。東日本大震災もあって、もうこの街で暮すのはいいかなって」。山口市へUターンし、フリーランスの造園業者として活動していました。 

心地よい空間をつくりたくて 

人との出会いを大切にしながら、巡ってきた仕事を受けていましたが、40歳を過ぎたころ自分がやりたいことが見えてきたそれがカフェだったんです」以前からカフェ好きだったというともありますが、「コーヒーというより、心地よい空間をつくりたいっていう想いのほうが強かったと言います。普通のカフェというだけでなく、何かと組み合わせたら面白い空間ができるのでは……。そう考えて浮かんで来たのは、やはり植物でした。 

以前から交流のある福岡市のスペシャルティコーヒー専門店「マヌコーヒー」の協力得ながら準備をすすめ、20179オープン 

豆はすべて、マヌコーヒーで焙煎されたものを使用。ドリップのほか、エスプレッソやバニラ、抹茶などの各種ラテ、カプチーノなど、メニューも充実しています。 

植物は「造園業の人脈を生かして、珍しのを扱っています」とのこと。確かに、棚の上にはアフリカ原産のコウモリランの仲間や、アメリカ・ユタ州原産の多肉植物「ユタエンシス・エポリスピナ」など、聞き慣れない種類のものが並んでいま「若い方からご年配まで、結構さん興味を持ってご購入されますね。もちろん、水のやり方などの管理方法はしっかりお伝えしています」 

開店してもうすぐ3年。「これからも、この空間を気に入ってくれる方を大切にしていきたい」。そう言って、コーヒーを淹れるときと同じく、丁寧に植物に水を与える松尾さんこの空間が幅広い年齢層の方に愛されている理由が少し分かった気がしました。 

 

執筆時期:2020年8月
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COFFEE AND PLANTS 

住所|山口県山口市吉田1923-4 

営業|10:00~20:00(※新型コロナウイルスへの対応のため、現在は11:00~18:00)

定休|木曜日 

TEL|083-902-1880 

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