road

青々とした田んぼに、どこまでも続く真っ直ぐな道。山口県山口市の北部に位置する阿東町は、りんごの名産地として有名ですが、県内では最高の米どころとしても知られています。
この美しい景色の中に、2019年一軒のゲストハウスがオープンしました。 

山口市阿東のゲストハウス郷〜sato〜 

outside

こちらがゲストハウス郷(さと)。農業体験もできるという、自然満喫型ゲストハウスです。田舎のおばあちゃん家のような雰囲気に心が和みます。
車を停め、今きた一本道を振り返ると、さらに美しい田んぼビューが広がっていました。 

ricefield

あまりの清々しさに夢中で写真を撮っていると、 

「お客さんもこの景色を背景に写真を撮って行かれる方が多いんですよ。ジャンプしてポーズをとる人もいます(笑)」 

と、オーナーの落合せい香さん。
本当に、思いっきりジャンプしたくなるような壮大な景色! 

ゲストハウス郷ならではの過ごし方 

room

窓

ゲストハウス郷には二間続きの和室のほか、二段ベッドが入った男女別のドミトリータイプの部屋もあります。旅館や民宿と違い、素泊まりでリーズナブルに宿泊できるのがゲストハウスの嬉しいところ。 

kitchen

外観の“おばあちゃんの家”感とは打って変わって、明るく機能的なキッチンも自由に使うことができます。食材を持ち込んで自炊するもよし、テイクアウトしてまったり過ごすのもよし、もちろん外に食べに行ってもOK。ですが、暑い時期の一番のオススメはBBQ! 

「BBQは家族連れのお客さんに人気です。時期によっては農業体験もできるので、収穫したての野菜を食べられるんですよ」 

yard

ダイニングルームのすぐ外にはBBQができるスペース

収穫体験の後は、近くの日帰り温泉で汗を流し、みんなでわいわいBBQ。夜は花火をしたり星空を見上げたり。 

「街から泊まりに来る子ども達の中には『生まれて初めて花火をした!』って喜ぶ子もいて。田舎では当たり前のことが都会に暮らす人たちにとっては新鮮なんでしょうね」 

ゲストハウス郷の野菜畑へ 

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こちらが田園の中にある野菜畑。取材時にはパプリカやナス、トマトなど多くの夏野菜が収穫の時期を迎えていました。 

「まだ作り始めて2年目。ご近所さんが畑の先生です」 

そう話しながら、パプリカをチェックしていく落合さん。 

bellpepper

人

「野菜って、本当に可愛いんですよ。トマトをほったらかしにした時は、地面を這うような形になってしまったのですが、支柱に結んでやると、翌日にはピン!と立ってくれて。手をかけた分、ちゃんと素直に育ってくれるんです。野菜に『ごめんね』とか『すごい!』とか、畑では独り言が増えます(笑)」 

自然豊かな阿東で生まれ育った落合さんですが、農業に目覚めたのは最近のこと。大学を卒業後は山口を離れ、岡山や広島で13年間会社員として働きました。 

人

「最初は不動産関係の会社で、その後製薬会社へ転職し営業職をしていました。特殊な業種だったのもあり、努力が結果に結びつくとは限らなかったんです。だんだん自分の存在意義がわからなくなって『生涯、承認欲求を満たしてくれる仕事につきたい!』と強く感じました」 

休日には趣味のダイビングで各地を旅することが多かったそう。旅先のゲストハウスで個性豊かなオーナーや他の宿泊者と交流するうちに、自分がやりたいのはゲストハウスのような場所作りだと気づいたと言います。 

始めは海の近くなど他県を考えていましたが、「見ず知らずの土地を終の住処にする勇気はない」と山口へのUターンを決意。2018年11月に阿東へ戻ってからは物件探しをする傍ら、お父様の会社を手伝っていたのだそう。 

「十年以上前、父がそれまでの仕事をやめ、祖父の田んぼを引き継いで米農家になりました。高齢の近所の方々の田んぼも引き受け、株式会社として従業員も雇って。ちょうど阿東に戻った頃は収穫の最盛期で、ゲストハウスと農業を組み合わせられるんじゃないかと、倉庫番をしながら考えていました」 

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秋は田んぼにつきっきりになる落合さん。お客さんのお土産に自家製のお米をプレゼントしている

移住希望者への情報発信の場として 

過去には阿東の定住促進ツアーや中国からのスタディツアーなど、移住希望者も含めた様々なお客さんが宿泊されたそう。  

「今はコロナ禍で、色々な計画がストップして、ゲストハウスより農業に比重が傾いていますが、元々の夢の一つは『移住者を増やしたい』ということ。それは変わりません」 

最近は「都会での人間関係に疲れたから、田舎でのんびり暮らしたい」と移住を考える人がいますが、実際には田舎の人間関係の方が難しい場合も。その土地、集落ごとの気質、住んでいる人々の様子などは実際に入ってみないと分かりません。  

「移住を考えている人は一度相談してもらえたら。阿東でどんな生活を思い描いているのか、周りに干渉されたくない、もしくは田舎ならではのご近所付き合いがしたいなど、イメージを聞いて、その方に合った提案ができると思う」 

新型コロナウイルスによって新たな価値観や人生観が見直されている今、地方への移住者は増えていくのではないかとも仰っていました。生まれ育った町で暮らし地元をよく知る落合さんの情報は、移住希望者にとても心強いアドバイスになるはず。ゲストハウス郷で阿東の自然を満喫しながら、今後の人生をゆっくり考えてみるのもいいかもしれません。 

 

 

執筆時期:2020年8月
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自然満喫型ゲストハウス郷〜sato〜 

住所|山口県山口市阿東徳佐上340-2 

TEL|090-7898-7192 

メール|guesthouse.sato@gmail.com

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