wagashi1

まんまるうさぎ、鮮やかな彼岸花、涼しげな水まんじゅう。これらの和菓子はすべて「ナチュラル和菓子」と呼ばれるもの。
色付けに人工的な着色料は一切使われていません。一体、どうやってこの色は生み出されているのでしょう?

山口市湯田温泉のLAWAKUへ

outside

訪れたのは山口県山口市の湯田温泉。大通りから少し入った静かな場所にLAWAKU(らわく)はあります。
こちらではナチュラル和菓子の販売のほか、実際に和菓子を作る体験や茶道、着付けなど様々な和文化体験が提供されています。助産院として長年営業されていた古民家を改装し、2020年3月にオープンしました。

cafe

カフェスペースでは、京都かんばやしの抹茶や湯田温泉 ニシダコーヒー によるLAWAKU特製ブレンドなどをいただくことができます。オーガニックの豆を丁寧に選別、焙煎されたコーヒーは雑味がなく、スッキリとした味わいでした。

早速、こちらで人気の「ナチュラル和菓子づくり」に挑戦してみましょう!

ナチュラル和菓子づくり 

店員

講師はLAWAKU代表の酒向(さこう)淳子さん。和菓子作りは私にとって初めて。不器用なのですが、うまく作れるでしょうか…… 。

ねりきり

こちらが今回「ねりきり」を作る材料。左から白あん、紫芋、ビーツ、かぼちゃ、小倉あん。これぞ「ナチュラル和菓子」と呼ばれる所以。色付けに着色料ではなく野菜や果物から抽出した自然の色が使われているのです!

手
和菓子
先生の手元を見ながら、あんを丸めたり、のばしたり、包んだり……。

「上手ですね〜!なかなか初めてでこんなにうまくはできないですよ!」

道具を使って均等に線を入れていく工程は少し難しかったですが、褒め上手な先生のフォローのおかげで15分ほどで完成しました! 

和菓子

最後にかぼちゃあんを真ん中にスタンプ!

抹茶
お次は抹茶を点てます。茶せんが底につかない高さで、手首のスナップを生かしてひたすら縦向きに動かします。徐々に表面が泡立ってきました!均等に泡が広がったら出来上がり。

抹茶とお菓子
初めて自分で作ったナチュラル和菓子と抹茶。やさしい色合いのねりきりの甘みと、ほんのり苦いかんばやしの抹茶が絶妙な相性です。LAWAKUでは肩肘張らず、気軽に和文化体験できるのが嬉しいですね。

LAWAKUとナチュラル和菓子の誕生 

栄養士や食品メーカーの社員として長年勤務したのち、出産を機に、子育て支援のNPO法人で理事を勤めた酒向さん。
末っ子が小学校に上がるタイミングとNPOの活動拠点の閉館が重なり、起業を考え始めました。

その頃、外国人観光客の宿泊が増えていた湯田温泉で、あることに気づきます。

「湯田温泉で史跡巡りなどを楽しむ方もいますが、中にはそういうことに関心のない外国人の方もいて。せっかく宿泊しているのに、県外に出てしまうんです。実際、海外の友人に尋ねると、史跡巡りより『日本文化を体験したい』という声が多かった」

試しに体験予約サイトで山口県内の外国人観光客向けの体験を調べたところ、当時は全くなかったのだそう。

「もったいないと思いました。日本を感じる体験の中でも、一番人気は食。それなら和菓子作りをしよう!と。子どもの頃はアニメの代わりに料理番組を見ていたくらい、私は昔から食が大好きで、色々と作ってきたので」

そこで和菓子を習い始めた酒向さんでしたが、色付けに着色料を使っていることに衝撃を受けます。

「かなりの量使うんですよ。人工着色料の他に自然の素材を原料にした天然着色料もあるのですが、色あせ防止に薬を入れています。知れば知るほど、疑問を抱くようになって」

自分でどうにかできないか、と試行錯誤の末たどり着いたのが野菜のパウダーでした。
乾燥機を購入し、パウダーのもととなるドライの野菜やドライフルーツを作るうち、素材が新鮮であれば色が変わらないことにも気づきます。 

ドライフルーツ

ネット販売するとたちまち人気となったLAWAKUのドライフルーツやドライ野菜。砂糖も使わない素材そのままの味わい

 みかんは周防大島、いちごは山口市内の農家など、地元産の素材も使っています。
ナチュラル和菓子の開発やドライフルーツのネット販売と同時進行で、着付けを習いに行ったり、英語が話せるスタッフを揃えたりと着々と開店の準備を進めてきた酒向さん。

しかし、そこで困難に見舞われます。 

新型コロナの影響で予約ゼロに 

「3月のオープン初日に、県内で初めてコロナ感染者が出たんです。2月中に予約が入っていた100件以上のお客様がキャンセルになりました」
4月にはついに予約ゼロに。春に開業したばかりなので政府の給付金制度も対象外。

なんとかしなければ、と考え出したのが「ナチュラル和菓子体験キット」でした。

「これなら自粛中でも家族で楽しめる!と思い、材料と必要な道具をセットにしてオンラインで販売しました。作り方動画はわが子や友人の子どもをモデルに、自分で撮影したんですよ」

ゴールデンウィークに間に合わせたい、と企画から2週間で販売までこぎつけた結果、注文が殺到。なんとかコロナ禍の危機を乗り切ることができたと言います。

店員

最近では、LAWAKUでの和文化体験や和菓子をテイクアウトされるお客さんも徐々に増えてきました。

「コロナが落ち着いたら、ぜひ外国人観光客の方々に来てもらいたいですね。諦めたわけではなく、いつか来て欲しい、という気持ちです。今後は和菓子の作り方動画の英語バージョンも作ろうかな」

「ナチュラル和菓子」の強みを生かしながら、あんこが苦手な外国人向けにチョコあんを選べるようにしたり、子ども向けにハロウィンをモチーフにしたねりきりを作ったり。

素材へのこだわりと柔軟な発想をバランスよく持ち合わせた酒向さん。これからのご活躍がますます楽しみです。 

 

執筆時期:2020年9月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

 

LAWAKU 

住所|山口県山口市下市町13-45 

TEL|083-902-6454 

営業時間|10:00〜17:00 

定休日|不定休(営業日はウェブサイトにて告知) 

※和文化体験はウェブサイトから予約可能 

ウェブサイトはこちら

Instagramはこちら

Facebookはこちら