じっとこちらを見つめる、大きくて丸い瞳。何か考え事をするかのように時折首を傾げる仕草を見ていると、「森の賢者」と呼ばれる理由も分かるような気がしてきます。
12種類、15羽。世界中のフクロウとふれあえる
でも、ここは森のなかではありません。山口県宇部市の中心商店街にある「アウルの城」。12種類、15羽のフクロウと出会えるカフェです。
一口にフクロウといっても、サイズは様々。体高70センチ、羽を広げると2メートルを超えるユーラシアワシミミズクもいれば、手のひらに載るほどのオオスズメフクロウも。
「それぞれ個性が違いますが、どの子も賢くて、可愛くて」と話すのは、オーナーの赤石泰子さん。赤石さんがフクロウと出会ったのはおよそ6年前。福岡県のフクロウカフェを訪れ、いっぺんにファンになったと言います。
「手に載せたりしてふれあってみると、すごく愛らしくて」

ユーラシアワシミミズクを手に載せる赤石さん
すっかり虜になり、自宅で中型のメンフクロウを飼い始めました。「仕事から帰ると出てきて迎えてくれるんです。ますます好きになりました」
そのときに飼っていたメンメンちゃんは、いまもカフェにいます。

メンフクロウのメンメン(中央)
カフェメニューも充実。商店街をもっと賑やかに
2017年にアウルの城をオープン。そこには、大好きなフクロウの魅力を広めたいという想いと、もうひとつの願いが込められていました。
「ここの商店街は、私が小さいときは肩をすり合うほどの賑わいで、空き店舗なんてなかったんです。あの頃のような活気を取り戻すのは難しいでしょうけど、少しでも人通りが戻ったらいいなと思って」

森の中のようにデザインされたカフェスペース
そのため、食事も天然エビを使ったエビフライカレーやグラタン、フワフワのパンケーキなど、メニューを充実させています。
人気の「ふれあい」コース。10回以上通うファンも
眺めるだけでも十分に楽しめますが、「ふれあい」コース(完全予約制。60分1500円。ワンドリンク付き)を選ぶと、撫でたり、手に載せたりすることもできます。
楽しくふれあうためには、いくつかルールがあります。
- ふくろうは夜行性。写真撮影はフラッシュを使わない。
- フクロウの顔の前にゆっくりと手のひらをかざす(いまから触るという合図)。
- 頭を手の甲で優しく撫でる。
- 嘴の下、お腹、足には触らない……など。
こうした説明を10分ほど受けて、ふくろうたちが待つ「城」の中へ。
取材に訪れた日にも、男性がフクロウとの時間を楽しんでいました。
もう10回は来店しているというこの男性。「特に、この大きな目がかわいいですね」と、フクロウたちとゆっくりとコミュニケーションを楽しんでいました。
「今後は、フクロウセラピーも本格的に」
アウルの城ではカフェだけでなく、高齢者施設などにフクロウを連れて行く出張サービスもしています。「ふれあうことでセラピー効果があるんです。新型コロナウイルスの心配がなくなったらまた出かけていって、フクロウたちをお年寄りに可愛がってもらいたい」と赤石さんは話しています。
執筆時期:2020年12月
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} ?>住所|山口県宇部市中央町2丁目4-7 ルナーレ1F
営業|平日11:30~17:00、土日11:00~17:00
定休|水・木曜日
TEL|0836-38-8688