山口県山口市の西部。カー用品店「イエローハット」の西日本物流センターの近くに、「朴(ほ)の森」と呼ばれる複合施設があります。 

看板

300年前の庫裏を移築 

敷地内に入ってまず目を引くのは、お寺のような立派な屋根の建物。 

こちらは『耕心の里』。新潟県糸魚川市にあった300年以上のお寺の庫裏をイエローハットを創業した鍵山秀三郎さん20年前に移築したものです」朴の森スタッフの藤野貴之さんから説明を受けながら、中を案内していただきました。 

建物

仏教詩人・坂村真民先生の書も 

この建物。もともとは同社研修所として使われていましたが、いまは一般解放していて自由に入館することができます。 

室内には、「念ずれば花ひらく」「大宇宙」「大和楽」など、仏教詩人・坂村真民氏の直筆の書が掲げられていました。館内には、坂氏と鍵山さんが交わしたはがき展示してあります。 

囲炉裏

書道

有機野菜の料理をバイキングで 

「耕心の里」の隣には、レストラン「一隅の里がありますこちらでは、近隣で有機栽培された野菜中心とした多彩なメニューを、バイキング形式でいただくことができます。 

料理

テーブル

サツマイモの揚げ物、こんにゃくの刺身、ホウレンソウのゴマ和え、蕎麦……。20種以上もある品々は、いずれも化学調味料不使用。素材の良さを感じられる優しい味付けが人気で、午前11時のオープンと同時に家族連れなどが次々と訪れていました。 

「一隅の里」の隣には、床下に竹炭を敷き詰めた木造の体育館「元の里」もあります。  

「凡事徹底」鍵山さんの哲学を継承 

心、食、身体。より良く生きるために欠かせない三要件を整える場をつくりたい-。耕心の里の向かいにある鍵山記念館では、そんな鍵山さん著書などが並んでいます 

本

「『凡事徹底(ぼんじてってい)胸に、掃除を極めることでイエローハットを築き上げた鍵山さん。その功績を顕彰するためではなく、生き方や精神を伝えるための施設です。訪れた方が少しでも何かを感じていただけるなら幸いです」(藤野さん) 

記念館の横には、掃除や山の整備などに使う各種道具を収めた倉庫も。整然と並べられた箒やバケツ、スコップなどは、いずれも砂粒ひとつ付いてないほどに手入れされていました。

倉庫

「このちりとりは約20年前のもの。丁寧に使えば、どんなものでも長く使えるんです。結果的に経費も削減できるし、エコにも繋がります」と藤野さん。「凡事徹底」哲学の在りようを見る想いがしました。 

「朴の道」で里山散策 

最後に案内していただいたのは、敷地に隣接する山の一部。ここに、里山を散策できる「朴の道」が整備してあります 

案内

木

木漏れ日の中、落ち葉を踏みしめながら歩いていると、幹が何本にも別れた大きな木が現われました。 

木

「これは朴の木。ここの由来となった木です」。藤野さんによると、かつては11本の幹が伸びていたとのこと。その佇まいに感動した坂村真民氏は、この木を「十一面観音朴」と名付けたそうです。 

取材に訪れた日は、偶然にも鍵山さんの長男朴の森代表の鍵山幸一郎さんの姿も。 

「いずれは、この一帯の山林をすべて朴の道のように整備したい。そして、本来はきれいで、心地いい日本の里山の姿をたくさんの方に知っていただきたいんです 

スタッフの皆さんと早朝からの清掃作業を終えたばかりの鍵山代表は、静かにそう語っていました。

家

「朴の森」は、どこか凜とした空気を感じる場所でした。先行きが不透明で、様々な情報に振り回されがちな現在。心の渇きを感じたなら、またここを訪れて心身を整えてみようと思います。 

 

 

執筆時期:2020年12月
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住所|山口県山口市佐山131-1-2 

耕心の里、鍵山記念館|11:00~16:00(11月~3月は15時まで)

一隅の里|11:00~15:00(受付は14時まで)

元氣の里|9:00~20:00(18:00以降は要予約)

定休|火曜日 

TEL|083-989-3884(鍵山記念館) 

朴の森| 鍵山秀三郎 鍵山記念館 | 日本を美しくする会 鍵山秀三郎講和掲載|鍵山記念館 (ho-no-mori.jp)