下関で40年以上にわたり、子どもから大人まで魅了し続ける児童書専門店「こどもの広場」。「素敵な絵本と出会ってほしい」と活動を続ける、創業者で代表取締役の横山眞佐子さんにお話を伺いました。
靴を脱いで、ゆっくりと
下関市役所から歩いて10分ほど。青い屋根と白い柱が目を引く「こどもの広場」は、靴を脱いでから店内へ入ります。
「最初はもちろん土足で設計していました。ですが、オープン初日に来られたお母さんが、抱っこしていた赤ちゃんを床にサッとおろされたんです。赤ちゃんがハイハイした瞬間に『あっ、靴を脱ぐことにしよう』って決めました」と横山さん。
扉を開けると、棚にも壁にも本がぎっしり。カラフルな絵本や図鑑、育児本など7,000冊以上が並びます。
また、随所にぬいぐるみや木のおもちゃが置かれ、明るく広々とした空間。
「子どもも大人も、ゆっくりと絵本を選ぶ時間を楽しんでほしいですね」
学校へ本をお届け
横山さんの活動は、お店の中だけにとどまりません。
その1つが「選書会」。山口県内の小中学校へ、新刊500〜600冊を携え、出向き、図書室に置く本を生徒みずから選んでもらうのです。
「1年間に3,000冊ほどの児童書が出版されています。スタッフと一緒にそれらを読み、いいな、と厳選した本を学校へ持っていくんです。本の内容やあらすじを一部紹介し、表紙を見せて並べます。子どももそして先生も、真剣に選び、これだ!という1冊に出会える。そのキラキラ輝く目や夢中になっている姿を見られることが本当に嬉しいです」
作家の講演会や読み聞かせも

あべ弘士さん作の『ダンボールのまさこ人形』
角野栄子さん。あべ弘士さん。長谷川義史さん。とよたかずひこさん…。
多くの作家と交流を重ねてきた横山さんは、講演会やイベントも多数企画してきました。
また、毎週金曜日には0歳から楽しめる「ヨムヨム広場」を店内で開催。朗読活動などを50年以上続ける「あかね会」(下関市)による読み聞かせやわらべ歌などが楽しめます。
プロが選んだ本をプレゼント
昨春、新たに始めた事業が、お客さんの要望を聞いて絵本を選び届ける「セレクト便」。
横山さんは「なかなか外へ出られない。会いたい人に会えない。そんな状況の中で、『本のプレゼント』を考えました」と話します。選書のプロであるスタッフ3名とともに、一人ひとりの想いや要望を聞いて、ぴったりの本を贈ります。
「本屋についても商売についても知識も経験もなく、『子どもの本の世界って面白そう』とわずか5坪の敷地から始めた本屋さん。多くの人に支えられ、今では30坪に広がりました。これからも、嬉しい時、楽しい時、悲しい時、悩んだ時……。その時その時の気持ちに寄り添える本を届けていきたいですね」
子どもの頃に大好きだった絵本を探しに、プレゼントを選びに、そして、ふらっと遊びに。本との出会いがいっぱい詰まった「広場」に、ぜひ足を運んでみませんか。
執筆時期:2021年1月
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} ?>住所|山口県下関市幸町7−13
Tel|083-232-7956
営業時間|9:30〜18:00
定休日|月曜日