日本三天神のひとつ、防府天満宮(山口県防府市)。

建物

その入口に立つ石鳥居(一の鳥居)のすぐそばに、「どぶろくカフェ」という聞き慣れないお店がオープンしました。 

鳥居

建物

店内に入ると、「どぶろく」という言葉の響きとはかけ離れた光景が広がっていました。女性たちが次々と訪れ、ドリンクやソフトクリームなどを注文しているのです。 

人

お客さんに、ドリンクを手渡す右田ともみさん㊨

リピーター続出、どぶろくソフト 

どぶろくのソフトクリーム?
いったいどんな味がするのか、ちょっと想像ができません。さっそく注文してみました 

アルコールを飛ばしたどぶろくを練り込んでいます。うま味成分が凝縮されていますからと店長の右田ともみさん。いただいてみると、お酒独特の甘い香りが口のなかにふわっと広がっていきました。こんなソフトクリームは食べたことがありません。リピーターが多いというのもうなずけます。 

ソフトクリーム

右田さんによると、クリームの原料にも特徴があるのだとか。使っているのは、島根県太田市の里山でのびのびと育てられている牛の牛乳を元にした「銀ノ高原ソフトクリーム」 

無添加で、濃厚なのにさらっとしているんです。試食した瞬間に『これだ』と感じました」そう話すとおり、すっと溶けていきつつ、豊かな牛乳の風味がしっかりと感じられます 

殿様の献上酒と同じ水を使用。歴史薫るどぶろく 

そして一番のメインのどぶろくは、右田さんの夫で、日本伝統濁酒研究所代表の圭司さんが昨年夏に完成させた逸品です。(詳しくはこちら)

酒米は地元で低農薬栽培されたもの。水は天満宮のすぐそばにある国指定文化財「宮市本陣兄部(こうべ)家」の井戸から汲み上げています。この井戸水、江戸時代には長州藩主への献上酒「瀧水(たきみず)」の仕込み水としても使われていました。そんな歴史への敬意を込めて、どぶろくも「瀧水」とネーミングしています。 

飲み物

その「瀧水」を、お店ではストレート、ハイボール、そして練り梅入りの3パターンで提供。同じ原料で造った甘酒を、牛乳や豆乳、りんごジュースで割ったノンアルコールドリンクも。車で訪れたお客さんに好評とのことです。 

飲み物

どぶろくハイボール

天満宮に井戸水、そして水の神様まで。すべてが揃った好立地  

4月にオープンして2ヶ月。どぶろく目当てのお客さんはもちろん、気軽に立ち寄れるカフェとしても少しずつファンが増えています。ただ、右田さんは自分がお店を開くなんて、まったく考えていなかった」と言います。「昨年秋、瀧水を出せるお店があったらいいねという話をしていたら、ここが空いているよと」 

宮市本陣兄部家のすぐ近くで、防府天満宮の参道沿いというこれ以上ない好立地。周囲の後押しもあって実現に向けて一気に動き出します。和室だった1階部分をリノベーション。同時にメニューの開発などを進めていきました。 

椅子

同じ参道沿いには、平安時代末期、岩から湧き出る水がお酒に変わったという伝説に由来する「酒垂神社」も。祀られているのは、水の神様「水波能売命(みづはのひめ」。お店の名前は、この神様にちなんでいます。 

鳥居

「瀧水」から広がる、新しい流れに期待 

日によっては、井戸水を提供している宮市本陣兄部家の兄部純一さんがお店を手伝うことも。兄部さんは「明治以降、150年以上途絶えていたお酒づくりの伝統が復活して、とても喜んでいます。私はただの水の運び人ですが、瀧水を通じてこの界隈に新たな流れが生れてくれたら、本当に嬉しいですねと話しています 

 

 

執筆時期:2021年5月
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どぶろくカフェ みづは 

住所|山口県防府市松崎町2-2 

営業|金曜日~月曜日10:0015:00 

TEL|0835-57-0687 

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