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2019/02/01 【広島】広島

おいしい・楽しい・なるほど!がいっぱい~自然の中で素材と向き合う老舗菓子メーカーの新たな挑戦|藤い屋 IROHA village

by 甲斐 寛子
愛媛県出身。大学進学を機に広島へ。卒業後いったんは地元で就職するも、あまりに広島が好きすぎて再移住。好きな食べ物は焼き立てのパン。現在は広島のパン屋さんで働きつ…

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廿日市ICから車で15分。市内中心部や大型商業施設からもアクセスの良い佐伯区五日市港に、もみじ饅頭の老舗「藤い屋」がちょっと変わった新工場をオープンしました。その名も「IROHA village(いろはヴィレッジ)」。

1日約5万個のもみじ饅頭を生産する五日市みなと工場に、レストラン、ショップ、ベーカリー、そして畑(!)が併設されている複合施設です。

工場では製造工程を見ることができ、畑ではもみじ饅頭の主原料である小麦と小豆を育てているのだとか。早くも入口から自然がいっぱいの様子です。それでは行ってきます!



お菓子の材料がいっぱい!おやつがもっと楽しくなる「畑LABO」

ゲートをくぐると、「hatake labo」という手書きの看板が。ここでは小麦に小豆、柑橘、いちご、栗やアーモンドなど、お菓子の材料に使われる素材があちこちに植えられています。

アクセスの良い海側のエリアにあるいろはヴィレッジは、もともと畑には不向きな土壌。微生物の居ない真砂土(まさつち)にキノコの廃菌床を混ぜ、キノコの菌の力で有機物を分解してもらいます。

即効性のある肥料を使わないのは、自然な里山のように持続可能な環境づくりを目指しているから。「キノコの菌や生き物が葉っぱや木の枝を分解し、土を作り、そこに鳥やチョウが集まるようになる…そんな自然なサイクルを目指しています。」(藤い屋 吉村さん)

今はちょうど小豆の収穫が終わり、小麦の種をまいたところ。楊枝の先ほどの小さい芽が、たくさん顔を出していました。



製造工程を見学した後は焼きたてサクふわのもみじ饅頭を

畑を抜けたところにあるのが、1日約5万個のもみじ饅頭を生産する五日市みなと工場。ここでは製造工程をガラス越しに見学することができます。

普通の見学ラインとちょっと違うところは、焼き上がるところまでではなくパッケージングの過程まで見られるところ。まだ一枚のシート状になっている包装フィルムが流れてくるもみじ饅頭を上手に包み込み、あっという間に袋型になって、折り目正しくすべり台を降りてきます。

昔の手焼き型の展示や解説文などもあり、子どもだけでなく大人も楽しめる工場です。

見学レーンの終わりにはスイーツスタンドがあり、できたばかりの焼きたてサクふわのもみじ饅頭をコーヒーと一緒にいただくことができます。お、おいしい…!

県外の方だけでなく、もみじ饅頭を食べ慣れている広島の方にもぜひ味わっていただきたいです。



畑の見えるレストラン&ベーカリー ここでしか食べられない藤い屋の新しいおいしさ

スイーツスタンドの正面にあるのが、レストランにベーカリー、おみやげショップが入っているメインの建物です。設計者は、自然と調和するデザインを得意とする建築家・中村拓志(ひろし)さん。屋根にはふかふかの芝がたっぷりと張られ、わらのカーテンが日差しを和らげてくれます。屋上には、ラベンダーやセージ、ローズマリーなどをふんだんに植えたハーブガーデンが。

入ってすぐのところにあるのが、あんこと小麦粉のプロ・老舗菓子メーカー藤い屋初の直営ベーカリー。ショーケースの中にあるパンをお店の方に取ってもらう、対面販売のスタイルです。私はパンが大好きなので、ここに来るのをとっても楽しみにしていました!

こちらが一番人気のあんバター。バターの豊かな風味と、その風味に全く引けを取らない、藤い屋の長い歴史が詰まった骨太なつぶあん!

商品開発では、一つのパンで一つのおいしさを伝えることを心掛けているとのこと。「例えばこのチョコレートのベーグル。クルミやレーズンを入れればもっと豪華な味にはなりますが、果たしてそれは、最も伝えたい『チョコレート』という素材のおいしさをちゃんと伝えているだろうか?と考えるんです。」(ベーカリーシェフ 川本さん)

左手にあるオリジナルプレッツェルも本当においしかったです。このプレッツェルのためだけに「せときらら」(山口県産)という小麦粉を仕入れて作っているのだそうです。

こちらはベーカリーの奥にあるカフェレストラン。畑LABOの様々な木々に囲まれ、まるで畑の中でお茶をしているかような風景を楽しむことができます。

ちなみにイスやソファに使われているクッション、何をモチーフにしたものかわかりますか?パン好きになのに教えていただくまで気づくことができず、大変悔しかったです…!

今回は「IROHA village 特製ハンバーガー」をいただきました。国産合い挽き肉のふっくらジューシーなハンバーグを、2種類のトマトをブレンドしたオリジナルソースと、ベーカリーで焼いた専用のバンズで。食べごたえがあり、素材の味もしっかり伝わってきました。

ドリンクも併せてお願いしたのですが、アイスティーにも関わらずオーダーごとに茶葉から淹れてもらえて驚きました。しかも茶葉はダージリン、アールグレイ、マルコポーロの3種類から選ぶことができ、なんと全てマリアージュフレール(17世紀からあるフランスの老舗紅茶ブランド)でした。

いろはヴィレッジ、いかがでしたでしょうか。最後にちょこっとだけご紹介したいのがこちらのお社(やしろ)。今から1年前の2018年3月、藤い屋の、そしてもみじ饅頭そのものの始まりの地である宮島の嚴島神社から分祀したのだそうです。「神さまを分けていただいてもうすぐ1年。いろはヴィレッジも無事に1周年を迎えるので、村初めてのお祭りができたらいいなあと思っています。」(藤い屋 吉村さん)

お社のご神木は楠(くすのき)。あの人気アニメ映画のような大樹になるには、あと2000年くらいかかるのだとか。「2000年後、私はもう居ませんし、いろはヴィレッジも無いかもしれないんですけど(笑)この木がずっとここに残っていたら、素敵だなあと思います。」

今回のいろはヴィレッジでは、藤い屋のみなさまの素材と向き合う姿勢はもちろん、自然の素晴らしさや時間の奥行きを感じることができました。おいしくて、楽しくて、ちょっと勉強になる大人の休日。みなさまもぜひ、足を運んでみられてはいかがでしょうか。



取材時期:2019年1月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

取材・文:甲斐 寛子
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Spot Information

IROHA village

住所 広島県広島市佐伯区五日市港2丁目1−1
営業時間 10:00~18:00(カフェレストランL.O.17:00) ※駐車場35台
定休日 なし
URL https://www.fujiiya.co.jp/iroha.html

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