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2018/08/07 【山口】岩国

【まちに人あり歴史あり】蓮根でできた麺を初体験!

by 山田 祐一郎
日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。現在、主に飲食関連の専門誌、雑誌、情報誌、企業のホームページ、会社案内などを手掛ける。著書に福岡発・福岡初…

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卸売一本からの脱却
れんこん麺で新たな道を切り拓く

レンコンを麺に合わせるなんて! 噂に聞いたレンコンを取り入れた麺を目の前にして、信じられない気持ちで視線を注ぐと、パッケージには堂々と「岩国蓮根 れんこん麺」と記されていました。初めてレンコンが岩国の特産であることを知った瞬間でした。
 


このれんこん麺の販売元は、昭和42年(1967)に創業した業務用食品の卸売問屋「池本食品」。割烹料理の材料をはじめ、海産珍味、米穀、酒類、冷凍食品など、取り扱い品目は多岐にわたります。

「これまでは卸売一本で良かったんですが、このままではいずれ立ちゆかなくなります。それでプライベートブランドの開発を思い立ちました」と教えてくれたのが代表取締役の清水きえさん。


その開発にはここでは書き尽くせないほどの試行錯誤がありました。と言いたいところなのですが、清水さんは「商品の完成までの道のりは、思いのほか、スムーズだったんですよ」と笑顔を見せます。
キーになったのが、福岡・うきは市にある製麺所「鳥志商店」との出会い。これからの時代、食には安心や安全を求めていきたいと考えていた清水さん。そのようなプライベートブランドが開発できないかと思案していた折、鳥志商店さんに出会ったそうです。
「鳥志さんは健康志向が声高に言われる以前から、いわゆる“体にやさしい商品づくり”を続けて来られていました。そのような製品づくりにおけるノウハウも十分だったため、本当になんの障害もなく、商品化が進みました」。


れんこん麺が完成したのは2011年。清水さんの描いた理想のイメージを一切の妥協なく形にした自信作だけあり、用いられている原材料は全て国産かつ無添加です。その原材料には、国産小麦をはじめ、地元・岩国の特産品「岩国蓮根」を粉末にしたもの、さらには牡蠣ガラ粉末、塩は沖縄産シママースをセレクト。この麺の核となる岩国蓮根は白花種という品種で、その形状は太め。一般的なレンコンがシャクっとした歯応えを特徴とするなら、この岩国蓮根はサトイモのようなもっちりとした食感が身上です。その粉末を入れることで、完成した麺は、ほんのりとした甘み、むっちりとしたコシ、そしてそのコシがもたらす噛んだ際の小気味良い咀嚼感が備わります。


見た目は蕎麦のようですが、風味自体にクセがなく、スープを選びません。尾道ラーメン風の温かい醤油スープで味わえば、もっちり、しなやかなコシが堪能できました。また、茹でた麺を冷水で締め、ざるうどんのように麺つゆと合わせれば、エッジが立ち、噛み応えのある質が前面に出てきます。さらに、パスタ風にアレンジしても、違和感なくスッとマッチ。どの食べ方でも、嚙みしめると麺の奥から甘みがじわっと出てくる上に、レンコンを練り込むことでヘルシー感もあり、ついつい箸を持つ手が止まらなくなりました。これほど器用な麺、なかなかお目にかかれません。その懐の深さに感心しきりです。

 

岩国蓮根が秘めた
ポテンシャルを形に

このれんこん麺は発売開始するや、一躍、注目を集めます。農林水産省が実施した、全国各地の食資源を活用した農林水産物や加工食品などを募集し、表彰した「地場もん国民大賞」の第1回で、審査員賞に選ばれたのです。「おかげさまで岩国市内でも取り扱いが増え、少しずつ認知が広がっています」と顔をほころばせる清水さん。元々、れんこん麺は日持ちする乾麺ですが、これをいったん茹で、急速冷凍した麺にすることで、料理の提供時間を短縮させたい飲食店からも引き合いが増えているそうです。岩国が誇る日本三名橋の一つ、錦帯橋の界隈にある飲食店では実際に味わうことができます。


「岩国蓮根は麺だけのものではありません。とても大きなポテンシャルを秘めていると思っています」と切り出した清水さん。その手に持っていたのは、瓶詰めの商品と、透明の袋に入った商品でした。


1つが、岩国蓮根が約3割を占める食感の痛快な肉味噌。基本のコチュジャン入りの辛味噌をはじめ、生姜入り、柚子入りの3つが用意されています。いずれも食品添加物は極力抑え、老若男女が親しめる仕上がりに。もう1つの透明の袋には、岩国蓮根の葉を乾燥させ、焙煎したお茶が入っていました。ポリフェノールを豊富に含み、飲み口はさらり。クセがなく、シーンを選ばない味わいです。

れんこん麺、そして肉味噌、お茶は、公式webサイト(※本社事務所での販売はありません)のほか、山口県内の空港、そして新岩国駅でも購入できます。

「目下、レンコンチップも計画中です。そもそも美味しいレンコンなので、アレンジを考えるのが楽しくてしょうがありません。アイデアですか? 当分尽きそうにありませんね」。そう言って微笑む清水さんの頭の中では、もうすでに別のアイデアが膨らんでいそうでした。


◾️池本食品



取材:2018年6月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
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取材・文:山田 祐一郎
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池本食品

住所 山口県岩国市三笠町3丁目9-7
TEL 0827-21-2054
営業時間 受付時間 9:00~17:00
定休日 日曜・祭日・水曜日
URL http://ikemoto-shokuhin.com/

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