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2019/02/13 【山口】周防大島

周防大島の恵みを詰め込んだ、こだわりの無添加ジャム工房|瀬戸内ジャムズガーデン

by 藤本 雅文
東京都出身。広告制作会社と編集プロダクション勤務ののち、3年前に山口県・周防大島へ移住。現在、フリーの編集者・ライターとして、広告や出版物などの企画・編集・執筆…

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「瀬戸内ジャムズガーデン(以下、ジャムズガーデン)」のジャムは、そのまま食べても美味しい。わが家の場合、毎朝食卓に出そうものなら、3日でひと瓶がなくなります。

息子にいたってはもはやデザート感覚。ジャムズガーデンに立ち寄ると、試食コーナーで片っ端からテイスティングしていきます。

息子がジャムをかきこむココは、そのときどきの旬のジャムが常時30〜40種類並ぶ直売所。その名も「ジャムズブティック」です。試食できるジャムは20種類。気になるジャムを味見しながら、色とりどりのジャムの中からとっておきのひと瓶を探すことができます。

今回は、年間180種類以上のジャムが生み出されるジャム作りの現場をレポートします。



希少品種も栽培!自家農園「ジャムズファーム」

取材でお邪魔したのは、肌寒い冬。観光地としては閑散期でも、ジャムの原料であるみかんやイチゴの最盛期。冬のジャムズガーデンは熱気むんむんです。さっそく、ジャム作りの現場を店主の松嶋匡史(ただし)さんに案内していただきました。

まず、向かったのは、ジャムズガーデンの直営農園「ジャムズファーム」。ビニールハウスの中に入ると、寒暖差であっという間に眼鏡とカメラのレンズが曇ります。

徐々に晴れていくレンズの向こうに現れ出たのは、圧巻のイチゴ畑です。

このイチゴは「よつぼし」と呼ばれる新品種で、まだほとんど市場に出回らない希少な品種。

「甘さと酸味のバランスが良く、そのままはもちろん、ジャムとも相性がいい品種です。お一ついかがですか?」(松嶋さん)

かじりつくと、ただ甘いだけじゃなく、香り豊かな酸味が口の中にすーっと広がります。

「よつぼしのもう一つの特徴は、果肉が柔らかく内側まで赤いことです。うちのジャムは着色料をはじめ、(とろみをつける)ゲル化剤や(酸味を加える)ph調整剤などの添加物を一切使用しません。そのためそのままジャムにしても美味しく、色鮮やかなものを使う必要があるんです。」



ジャムの生産現場「ジャム職人の工房」

農園の次は、いよいよジャム工房です。中に入ると、柑橘の清々しい香りが充満しています。

調理していたのは、こちら。レモンとも違う、見たこともない果実。聞けば、なんと「かぼす」。木につけたまま完熟させると、こんな色になるのだそう。

皮も無駄にせず、食感や香りづけなど、果実丸ごと余すところなく使います。自然の食材だけで、甘さと酸味のバランス、色や食感、果実のもつ個性をひと瓶のジャムに表現する。今まで考えてもみませんでしたが、ジャム作りは奥が深い!

煮込みに使うのは、こちらの4つの小鍋。一つの鍋で生産できるジャムは約50本。「もっと大掛かりなものを想像していました」と正直に伝えると、「効率は悪いですが、これでないと思い通りのジャムが作れないんです」と松嶋さん。

「ジャムは鍋が大きくなると煮込み時間が長くなり、風味がとび、味がひね、色合いがくすんできます。果実の個性を活かすためには、小分けにして少量ずつ煮込み分けていく必要があるんです。」

なるほど!

ジャム作りの奥深さに打ちのめされながら工房を出ると、島の子どもたちからの手紙に目が止まります。

「断水※のときに学校給食にジャムを提供させてもらい、そのお礼にこの手紙をいただきました。これを読むと、初心に帰るというか、あの時を思い出して、よし、頑張ろう!という気持ちになります。」

※2018年10月22日未明、周防大島と本州を結ぶ大島大橋に大型貨物船が衝突。それにより、島は断水と橋の通行止めを含む通行規制などが40日間続いた。ジャムズガーデンも断水によりジャム作りをできないばかりか、橋の通行規制で客も激減。売り上げは8〜9割減にまで落ち込んだ。



苦境から生まれた「天然水仕込み」シリーズ

事故から数ヶ月が経った今、断水は解消され、橋も仮復旧。島はいつもの日常を取り戻し、ジャム作りも今までの分を取り返すようにフル稼働です。

そこには、新しい商品が仲間入り。それが、『天然水仕込み』シリーズです。

「断水の最中、ジャム製造が再開できなければ、どうしようもないところまで来ていました。そこで思い立ったのが、創業当時に農業用として引いていた井戸水です。駄目元で水質検査に出したところ『適合』の通知が届きました。いつか天然水でジャム作りができたらと思っていましたが、こんな形で夢が叶うとは。今回の一件で、島内外からほんとうにいろんな支援をいただきました。『天然水仕込み』シリーズはそれが形になったもの。大切に育てていきます。」

ジャム工房に隣接する「ジャムズカフェ」では、目の前に広がる海を眺めながら、こだわりのジャムを使ったスイーツやドリンクを楽しめます。

四季折々の旬の果実を使い、すべて手作りでこの島でしかできないジャム作りをしているジャムズガーデン。直売所で、工房で、カフェで、ぜひ思い思いのひと時を過ごしてみてください。


取材時期:2019年1月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

取材・文:藤本 雅文
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Spot Information

瀬戸内ジャムズガーデン

住所 山口県大島郡周防大島町日前331-8
TEL 0820-73-0002
営業時間 10:00〜18:00(11月末から3月までは17:00まで)
定休日 水曜日(ただし木曜日はジャム販売のみ)
URL http://www.jams-garden.com/

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