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2018/08/07 【山口】防府

【発見!ヒットのつぼみ】天然成分たっぷりの優しさタオル

by 戸田 かおり
生まれも育ちも福岡、食や芸術の魅力が溢れるまちに興味津々。 普段は人物インタビューや冊子やWebの編集企画を通して、 大人の女性のアンテナに響く、上質なモノやコ…

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天然成分でできたなめらかで吸水性抜群のタオル

このタオル、何からできていると思いますか?


実は、100%竹から作った繊維でできています。
触れるとまるでシルクのようになめらかで、思わず頬ずりしたくなるほど優しい肌ざわりです。
そして肌に触れた瞬間、吸い付くように水分を吸収してくれます。

その吸収性は綿の2倍以上、肌をゴシゴシこする必要がないので赤ちゃんや敏感肌の方でも安心して使えます。フェイスタオルではありますが、1枚で全身拭けてしまうのでバスタオル要らず。

旅行やアウトドアに持って行ったり、枕カバーとして使う方も少なくありません。天然素材の竹だけを使っているので、防臭効果が高く、汗や生乾きのイヤなニオイも減らしてくれます。


困っている人の悩みを未来への希望に変えて

このタオルを作っているのは、山口県防府市に工場を構える「エシカルバンブー」。ものづくりへの思いや起業のきっかけについて社長の田澤さんにお話を伺いました。


田澤さんは、大手企業数社で商品開発、PR戦略立案を担当し、2006年よりフリーの商品企画プランナーとして活動を開始。

以来、ソニーや椿山荘をはじめとした企業で企画制作や商品マーケティング、プロモーション企画やイベント企画運営に携わってきたそうです。

「『竹』というキーワードと出会ったのも仕事がきっかけでした。あるクライアントが竹についての悩みを話されていたんです」。

竹は高く伸びたその先で電線に絡んでしまえば停電することもあり、家にかぶされば住めなくなったり、生態系にも影響します。しかも、伐採しても追いつかないほどとても成長の早い植物なのです。

伐採費用がない、伐採しても運ぶのが大変、運んだところで使い道は少ない、竹林の所有者は高齢者ばかり。見たところ問題だらけだったそうです。


これを資源にできればいろんな問題が解決するのではないか、そう考え、田澤さんは竹の魅力を生かして商品化することを考えました。
 

この事業に最適な環境を探したら山口県でした

「せっかく竹という天然素材を使うのだから、製造工程や環境にもこだわって、自然と共に共生していきたい。拠点はどこにしよう。竹の問題に困っていて、水がきれいなところ…」そうして調べて候補地に挙がってきたのが山口県でした。


「それまで縁もゆかりもなかったけれど、来てみたら魅力的な土地でした。ごはんはおいしいし、人も優しい、新参者の私がよそから来ても皆さん温かく受け入れてくれました。工場のご近所の方も草むしりを手伝ってくれたり、差し入れをしてくれたり応援してくれますし、工場のスタッフの平均年齢は80代なんですよ」とうれしそうに語る田澤さん。

主力商品であるタオル以外にも洗剤や竹酢液を使ったアウトドアスプレーなども開発。竹酢液というのは、嗅いだことのある人ならわかる独特のにおいがあります。このままではいくら虫除け効果があっても体につけてもらえないだろうと考え、アウトドアスプレーを製造・販売している企業に依頼をし、アロマをブレンドした竹酢液入りのアウトドアスプレーを開発しました。


 

知識ゼロの素人だからこそできることがある

「何せ異業種の人間でしたので、商品開発は毎回試行錯誤の連続です。だけど、わからないからこそ『使うんだったらこういうものがいい』という消費者視点での発想ができるのは私の強みかもしれません。

せっかく天然で作るんだったらこだわるところはとことんこだわりたい。毎日使っていただきたいから妥協はしたくないんです。工場のスタッフが手を洗う石けんまで植物性にしたりして、とにかく化学薬品との距離を置くことを徹底しています。大変なこともたくさんあるけれど、私の原動力は『待っている人がいること』。竹をどうにかしたいと悩んでいる人たちが待ってくれている、そして天然素材で作ったものなら使えるからと楽しみにしてくれている人も。お客様が喜んでくださっているお声を聞けると思えば、がんばれちゃうんです」。

これから数十年先、日本は、いえ地球全体も資源不足になることが予測されています。そうした未来においてもこの竹の可能性は無限大です。田澤さんは「私1人でできることはほんのちょっとですが、たくさんの方のお力を借りながら、未来に向けて大きな架け橋がかけられたらと思います」と先を見据えています。
 

笑顔で働けることに感謝しながら0から1を生み出し続けたい

ここ山口にはたくさんの歴史があります。政治、憲法、ものづくり、調べれば調べるほど奥深い土地で、「0から1を作ることができる場所という印象」と田澤さんは言います。「今回のこのビジネスをこのまちではじめられたのもご縁だと思うし、これから起業する人にとって柔軟性があり、応援してくれる土壌がある」。


今後の目標を尋ねると、すぐに答えが返ってきました。「やはりこの山口から日本全国、海外に向けて竹製品を届けていきたいです。私たちのモットーは、『笑働笑進(しょうどうしょうしん)』なんです。

自分たちも笑顔で働きながら、そのことに感謝を忘れず、またその先の世界に何か価値を返していけたらと思っています」。

山口で磨かれた竹の新しい輝きが、世界を悩ませる資源問題を照らす日もそう遠くなさそうです。

 

■エシカルバンブー
山口県防府市真尾

<公式サイト>
http://ethicalbamboo.com/

<オンラインショップ>
https://poc-web.shop-pro.jp/

取材:2018年6月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:戸田 かおり
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