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2019/06/26 【山口】小野田

平均年齢28歳! 6代目と若い蔵人が切り開く、SAKE新時代への挑戦|永山酒造合名会社[PR]

by 河津 梨香
上関町の島生まれ。広島市でタウン誌勤務後、フリーランス、新聞記者を経たのち、地域おこし協力隊になりたくて萩市へ。予想を超えて“ホンモノ”…

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「山口県内最年少チームの蔵がある」

こんなフレーズが目に飛び込んできたら、“のんべえ”ならずとも、気にならずにいられないでしょう。

女性杜氏の登場や世代交代など、フレッシュな話題が山口県内の酒蔵でも聞かれる昨今。今春とびきりビックリしたのは、ひとつのブランドとして味も地位も確立してきたあの人気銘柄「山猿」の永山酒造が、なんとも鮮やかに、大きな変化に踏み切ったことでした。これまでの技術やイメージにとらわれず、平均年齢28歳というNewジェネレーションな蔵人たちに、すべてを任せたというのです。由緒ある「△△杜氏」を採用するなど系譜や伝統を踏まえる酒造業界において、この革新さたるや! 取材を終えた今振り返っても、ジンジンしびれるほど。

今季の仕込みを若き6代目に大胆に託した、現社長の永山純一郎さんに、まずはお話を聞きました。「山猿」を創り、磨き、突き抜けた存在に育て上げた5代目です。

【5代目・永山純一郎さんと6代目・源太郎さん】



実は、チャレンジングの蔵

「私が東京農大に通っていたころ、東京で流通している山口の地酒銘柄はありませんでした」。現在、店でもウェブサイトでも全国から簡単に入手できる環境において、純一郎社長のおっしゃる状況が想像しにくいかもしれません。40年前、沸き起こった地酒ブームを機に純米酒を造り、東京市場に山口県の地酒として風穴を開けたのは永山酒造でした。

“山口県のお酒がおいしい”という価値を作り、県内の各蔵が継続していけること。その先駆け的であったとも言えます。息子(純一郎社長)の感覚を信じた先代が麹室(こうじむろ)を改良したり、その後、清酒酵母を使った蒸留酒「寝太郎」を生み出すなど、5代目・純一郎社長の軌跡を聞きながら“イノベーションの旗手”であったことがひしひし感じ取れました。

【1887(明治20)年創業の永山酒造】


「時代に合わせて変化していく必要はありますが、何を目的として仕事をするかが大事」と、純一郎社長は言葉を継ぎます。蔵の入り口には、“農業と共に生きる!”というコンセプトを掲げた幟が。「酒造りは、地域の素材=酒米があって、地域の農業とともにものづくりをする仕事。これだけは忘れてはいけません」。

永山酒造の代名詞ともなった「山猿」の個性豊かな味わいには、山口県独自の酒米として誕生し、現在はここの蔵のみが使用する品種「穀良都(こくりょうみやこ)」の存在が欠かせません。店内には稲穂が飾ってあるのですが、案山子(かかし)と見まがう背丈の高さには驚き! 一見して、栽培の難しさが分かります。

農家さんとともに本物のMade in 山口をつくること、そして“山口県と言えば日本酒”となることを目指す、志の高さがうかがえました。



6代目の新たな挑戦

「40年して、また新たな時代が巡ってきたなと感じます」と紹介してくださったのが、6代目の永山源太郎さん。

【穀良都の稲穂を手にする源太郎さん】


子どもの時から微生物が好きで(酒蔵の息子さんらしいですよね!)、東京農大に進学。跡取りは意識せず、大学時代は酒造りの面白さを実感していたそうです。その後、島根県の酒蔵で修業を積んでいた折、永山酒造で長年活躍した但馬杜氏(たじまとうじ)の引退が決まり急展開。帰郷し、但馬杜氏に付いてあらゆるデータを取りながら濃密な時間を過ごし、今季から杜氏を務めています。

「但馬杜氏は、麹を造る技術に長けていました。職人気質でデータがすべて頭に入っているような人。僕たちはその数値を“見える化”することで経験を補い、どういう要素でどのような味になるというロジックを導き出しました。前季の仕込み時に、酵素の量や種類をすべて調べてデータを取ったんです。これが、僕ら世代のやり方」。そして今季は、「どうせなら若手だけでスタートを切り、“無”から成長していきたいと思いました」と、平均年齢28歳のチームが始動。麹室の配置を変え、櫂入れをせず自然の発酵に任せるなど、6代目ならではの「山猿」を醸しました。

5代目・純一郎社長は、あえて口を出すことなく見守り、「新しい時代が始まったと思うしかない」と、おおらかな笑顔。

偏見かもしれませんが、酒蔵の親子と言えば厳しい師弟関係のような雰囲気かと想像していましたが、意外にも、永山酒造のお二人は仲の良い柔和なムード。蔵内を案内してくださった折には、「秘密の仕込みがあるんですよ」と、お二人だけでタンクを覗いてムフフ笑い。代を繋いでいく者同士の、理屈では語れない絆を見た気がして、うれしくなりました。



気になるお味は……?

純一郎社長、今季の仕上がりの採点は? 

「甘く見て、70点。米の味を残しながら、雑味がなく、すごくきれいな飲み口のお酒ができました。ラインナップも切り替えていく予定なので、今後も楽しみにしていただければ」とニコリ。4月に行われた県の新酒鑑評会では、吟醸酒の部で入賞を果たし、自信につながったそうです。

源太郎さん、今後の展望は?

「近頃は冷蔵保存で通年味が変わらないお酒が多いのですが、もっと季節性を感じてもらえたらと思います。搾りたてのフレッシュなお酒が熟成を経るごとにどう変わるか、そんな文化が日本酒にはあります。季節ごとに味わいが楽しめる、“熟成の物語”を届けたいですね」。



今年は煉瓦蔵が建造100周年!

永山酒造のシンボルとも言える、珍しい煉瓦蔵。100年前の建造以来、今もここで醸造&貯蔵が行われています。今年は100周年記念として、この蔵で天然熟成した1975年の貴重な秘蔵酒をリリース! 7月14日の創業記念日に、「山猿 秘蔵酒 老猿」として販売されます。原酒のまま甕(かめ)で熟成した焼酎もお披露目予定とか。

【オリジナルのおちょこ】


きっと、まだまだ可能性や話題を秘めている永山酒造。目が離せません!

取材時期:2019年5月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

 

取材・文:河津 梨香
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Spot Information

永山酒造合名会社

住所 山口県山陽小野田市厚狭367-1
TEL 0836-73-1234
営業時間 9:00~19:00 蔵見学:要予約、無料
定休日 第3日曜
URL http://www.yamanosake.com/

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