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2019/07/14 【山口】岩国

タイに魅せられ10年。外国人にも人気の「サバーイな店」に|アジアの雑貨と喫茶 マムアンカフェ

by 大村 たかし
防府市出身。地方新聞社で18年間記者として活動後、コーチ、カウンセラーとして独立。起業家へのインタビューやプロフィール記事の作成、書籍の編集も行っている。趣味は…

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山口県岩国市のJR岩国駅近く。ちょっと小さな道に入ると、軒先にマンゴーのようなものがぶら下がった東南アジアっぽいお店があります。

「マムアンカフェ」

カラフルな衣類やフェアトレードの雑貨などを眺めつつカウンターに座り、メニュー表を手に取ると、見慣れない言葉が並んでいました。

カオマンガイ
カオマンガイトート
カオソーイ……

「カオ……?」と困惑していると、

「一番人気はカオマンガイですね。ゆでた鶏肉と、その鶏の出汁で炊いたライスがメインの『タイのソウルフード』です」。オーナーの西田さおりさんが優しく教えてくれました。

運ばれてきたのは、見た感じはちょっとお子様ランチ風のワンプレート。でも、小皿に入った真っ赤なタレを掛けて鶏肉を一口食べてみると、かなりのピリ辛! 完全にオトナの味でした。

タレは、ネギ、ニンニク、ショウガなどを『極秘の割合』で調合し、現地の味を再現した「マムアンオリジナル」。最初は辛いとだけ感じていたのに、次第に口の中がさっぱりし、涼しささえ感じてくるから不思議です。

「くせになるみたいで、こればかり食べるお客さんも多いです」と西田さん。「タレだけ売ってほしい」と言われることもあるとか。

ご飯は山口県田布施町で低農薬栽培された米と、タイのジャスミンライス(香り米)をブレンドし、鶏のだし汁で炊いています。

このほか、鶏を揚げた「カオマンガイトート」、ココナッツカレースープに麺が入った「カオソーイ」、トムヤム風味の唐揚げなどもあります。

【カオソーイ。ココナッツミルクの農耕な甘さと、唐辛子のピリッとした刺激を同時に楽しめる】


お客さんの中には米軍岩国基地の関係者も多く、ときには半分が外国人の日も。

「基地関係の方のなかにはタイ出身の人も。そういうお客さんから『おいしい』と言ってもらえたときは、心で『やったね!』って叫びますね」



なんとなく……が一転。「帰りたくない」

西田さんは2009年、新婚旅行で初めてタイを訪れました。

「私は別に関西のテーマパークとかでもよかったんです。でも、知り合いから『近場でいいから、外国に行ったら?』と勧められて、そんなもんかなと感じながら、なんとなくタイに……」

ところが、行ってみたら「もう日本に帰りたくなくなったんです(笑)」

南国特有のユルい空気。道に迷っていると協力しあって案内してくれる親切な人たち。ルールや常識を押しつけず、互いを尊重し合う人間関係。それに、ずっと感じる懐かしさ……。

「特に、昼間の屋台が帰っていって夜の屋台が集まってくる夕方の時間帯がたまらないんです。もう、毎日が縁日みたいで」

以来、翌年に生まれた男の子も連れて、家族3人で毎年通うように。行きつけのゲストハウスでは「よく来たね~」「坊や、大きくなったね」とまるで実家に里帰りしたかのように迎えられるそうです。



「サバーイ」だけを求めて

【店内には、現地で買い付けた衣類やアクセサリーなども並ぶ】


旅行と買い付けを兼ねて10年間で10回以上訪れるうちに、自分がタイの何に一番魅かれているのか分かってきたといいます。

それは、「サバーイ」。心地いい、気持ちいい、という意味のタイ語です。

「みんなサバーイを求めて生きているんです。だから自分がサバーイでないことを人に強要しないし、イライラもしない。何事もきちんとすることを求められる日本人の私からするとつい『もう、ちゃんとしてよ!』と思ってしまうときもあったけど、だんだんそんな自分が馬鹿馬鹿しくなってくるんです。だってそれ、サバーイじゃないから」

お店は2016年11月にオープン。サバーイな生き方を模索するうちに西田さんが辿りついた、ひとつの答えでした。

「好きなときにタイ旅行をするには、どんな働き方があるかと考えたら、お店というスタイルしかないな、と」

マムアンとは、タイ語でマンゴーのこと。「マンゴーの味はもちろん、黄色が大好きなので」と、やはりサバーイな理由からネーミングしています。



旅行者の「ハブカフェ」に

これからの夢は、「旅行者のハブのようなお店になること」

「タイ旅行のことなら何でも答えられるし、私もいろんな旅行者の方からお話しを聞いてみたい。いつきても旅人や、旅好きな人と交流できるようなお店になったらいいなって思っています」

実際、お店にいるだけで、心も口のなかもすっかりタイを旅しているような気分になれました。本場のタイ料理と、屈託のない西田さんの人柄、そしてお店に満ちるサバーイな空気……。どうやらくせになる理由は、極秘のタレだけではなかったようです。


取材時期:2019年6月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
 

取材・文:大村 たかし
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Spot Information

アジアの雑貨と喫茶 マムアンカフェ

住所 山口県岩国市今津町1丁目6-9
TEL 070-5053-7806
営業時間 午前11:00~15:00、午後18:00~21:00
定休日 日曜日
URL https://www.instagram.com/mamuang_cafe/

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