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2019/08/18 【山口】防府

富海で挑戦!伝統技法「天然灰汁発酵建て」での本格藍染め体験|AIMA(藍間)

by 武井 奈々
大阪生まれ大阪育ち。瀬戸内海の穏やかで豊かな暮らしに惹かれ、2017年山口県周防大島へ移り住みました。海の向こうに四国の山並みを眺めながら、島暮らしを満喫中。島…

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自然から生まれた藍染め

天然の染料「藍」を使って染色する藍染めは、化学染料には出せない、深みのある美しい青が特徴です。藍染めで染め上げたものは、洗濯や太陽光で色落ちすることがなく、一生ものとして大切に使うことができます。

少し敷居が高いと感じる藍染めですが、初心者でも気軽に体験できる場所があると聞き、山口県防府市、富海(とのみ)へやって来ました。近年、藍染めで地域の活性化に取り組んでいるエリアです。



富海の藍染め工房AIMA

こちらは、とのみまちづくり社代表の今村信一さん。藍染め工房、宿、カフェ、ギャラリーなどが一体となった「AIMA(あいま)」という複合施設の運営や、藍染め製品の企画、製作、販売など、藍染めを中心としたプロジェクトに携わっています。

「AIMAでは、『天然灰汁発酵建て』という伝統の技法を用いた藍染めを行なっています。化学薬品は一切使わず、天然の素材だけを使っているので、人にも環境にも優しいんです」

【藍染めの染料の素となる藍の葉。藍染めで染め上げられた製品には、消臭効果や抗菌作用があるといわれている】

【藍の葉を乾燥、発酵させてできる蒅(すくも)。藍の葉が蒅になるまでに3〜4ヶ月かかるといわれる。AIMAでは藍の一大産地、徳島県産の蒅を使用】


それでは早速、何をどんな風に染めるのか考えていきましょう。

「こだわりのあるものや良いものを染めて、ずっと大切に使ってもらいたい」

そんな思いからAIMAでは、今治産のコットンマフラー、シルクのストール、京都縮織のTシャツなど、藍染めのためにセレクトした天然素材の上質なものを取り揃えています。

その中から今回選んだのは、コットンマフラー。このマフラーを、どのくらいの濃さの青に仕上げようか……。

セーターやおくるみ、ストールなど、すでに染め上がった見本を手に考えます。「このストールと、おくるみの中間くらいの青にしたいです」そう伝えると、「では4〜5回くらい染めてみましょうか」と今村さん。



大谷焼の大きな藍甕(あいがめ)

工房には藍染めの染料が入った大きな甕(かめ)が4つ。一つにつき一石(約180リットル)もの染料が入っています。先ほどの蒅に灰汁、小麦の外皮であるふすま、日本酒などを混ぜ合わせ、徐々に発酵が進んで藍染めの染料が完成します。

なんとも表現しがたい、独特の匂いを放つ染料。光の当たり具合によって、少し赤みがかった紫にも見えます。表面に浮いているブクブクとした泡は、「藍の花」と呼ばれるもの。化学薬品を使っていないので素手でも大丈夫ですが、手まで染まってしまわないようビニール手袋を装着します。



いざ、藍染めに挑戦!

実際に藍染めに入る前に、甕の中でどういう動きをしたらいいのかシミュレーション。マフラーやストールなどはジャバラ折りにして、染料の中でパッと広げられるようにしておきます。また、空気が入った箇所は染料がつきにくくムラになってしまうため、ジャバラの片側を手で塞ぎ、そちら側を下にして上から空気が抜ける格好で染料へ一気に浸けます。

なんだかひんやりして気持ちいい……。季節を問わず、染料は25℃前後の温度に保たれています。一回あたり、約3分間。その間にマフラー全体を染料にたゆたわせながら、フチに沿って縫い目をしごくような感じで指先を動かしていきます。糸が重なって染まりにくいフリンジも丁寧に……。甕の中はどうなっているのか全く見えないので、指先の感覚だけが頼り。フチを二周する前に、時間が来てしまいました!ここからは、さらに気が抜けません。マフラーを染料の中でひとまとめにし、ギュッと絞ります。

さらに空気中にあげたマフラーをギュギュッとしっかり絞ってから広げ、バサバサっと水分を飛ばします。藍染めは、酸素と触れるこの過程で初めて青に染まるのだそう。モタモタしていたら、変なムラができてしまいます。数分間乾かし、染料を休ますため、次は隣の甕で同じ作業を繰り返します。何度も行なっているうちに、集中力が高まり、甕の中で布を動かす感覚がつかめてきました。

回を重ねるごとに濃くなっていくマフラー。様子を見ながら、5回染めたところでストップ。最初の目標よりは少し濃くなってしまったけれど、とても綺麗な色です。65℃のお湯で洗ってから、さらに流水でよく洗います。どんどん灰汁の黄色が抜けて、鮮やかなブルーが浮かび上がりました。AIMAでの体験はここまで。あとは家に帰ってから、天日干しと水洗いを7回ほど繰り返し、布にくっついている余分な染料を落として完成!


初めての藍染め体験。今村さんのレクチャーのおかげで、なかなか素敵な風合いに染め上がりました!藍染めをすることで、素材の堅牢度が上がるとのこと。身に纏うのが楽しみです。一度染めると色あせせず、ずっと大切に使える藍染め。自分の手で染めたものは、なお愛着が湧く逸品になりますよ。


取材時期:2019年7月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:武井 奈々
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Spot Information

AIMA

住所 山口県防府市富海988-5
TEL 0835-34-1212
営業時間 11:00〜16:00(カフェ)
定休日 火曜日
URL http://aima.tonomi.or.jp/

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