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2019/09/16 【山口】防府

「一本の花から、幸せを世界へ広げたい」。男性客が7割の「生涯付き合える花屋」|フローリスト倖晴、フラワースペースCo-co

by 大村 たかし
防府市出身。地方新聞社で18年間記者として活動後、コーチ、カウンセラーとして独立。起業家へのインタビューやプロフィール記事の作成、書籍の編集も行っている。趣味は…

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お店に入ると、「ウチハナ」と名付けられたブーケが目に飛び込んできました。

「できれば、お花はみんな、お嫁に行ってほしい。そして幸せになってほしいんです。」

お花がお嫁に行く―。森本幸代さんは、フローリスト(花や緑を愛する人)の名の通り、手にした切り花を優しく見つめながらそう話しました。

「売れ残ったりして捨てられるお花が可哀想で。できる限り、みんな新しいおうちに行って、そこのご家族と幸せになってもらいたいんです」



インスタで全国区に

一本の花への細やかな愛情は、生花だけでなくアーティフィシャルフラワー(造花)や、プリザーブドフラワーに対しても変わりません。

プリザーブドフラワーは既成品を販売するのではなく、お客さんの求めるイメージに沿って花、葉、つるなどのパーツをひとつひとつ組み上げ、一点物として完成させていきます。豊かな感性と丁寧さが感じられる作品が評判を呼び、インスタグラムなどを通じて北海道や鹿児島からも注文が入るほどの人気となっています。

【プリザーブドフラワー 森本さん提供】


こちらは、アーティフィシャルフラワーをあしらった、靴箱の除湿・消臭グッズ。

陶製のバレエシューズの中に、備長炭が入っています。地元、防府商業高の生徒のアイデアを森本さんが商品化。靴箱に入れるのがもったいないほど可憐に仕上がっています。



自衛隊を退官。「やっぱり、好きなことで貢献したい」

幼稚園児のころから「大きくなったら花屋」と決めていた森本さん。「小学生の頃には、花だけでなく近所の花屋で働いている女性にも憧れを抱いていましたね」

だけど、一本の切り花のようにここまでストレートに進んできたわけではありません。高校卒業後の進路選択では、ずっと続けてきたパーカッションの演奏技術を生かすか、花の世界へ飛び込むかで悩んだ末、航空自衛隊の音楽隊へ入隊しました。

でも「やっぱり自分の好きなものを提供することで、人の幸せに貢献したい」と在籍9年で退官。全国に多数の店舗を持つフラワー業界大手・日比谷花壇に入社し、京都市内のショップで4年半、研鑽を積みました。その後、防府市にUターンし、個人店に4年勤務。国家資格「フラワー装飾技能士一級」も取得して、2013年に独立しました。

【いま人気のトライフラワーも豊富にそろっている】



まっすぐ向き合うことで広がる幸せ

現在、同じ建物内でプリザーブドフラワーやドライフラワーを扱う「フローリスト倖晴(こうせい)」と、生花や鉢物専門の「フラワースペースCo-co」の2店舗を運営する森本さんのモットーは「お客さんと花に、まっすぐ向き合うこと」。

「男性のお客さんには、プレゼントする女性のイメージや好みなどをしっかりと聞き取るようにしています。女性の場合は自分の好きな花を贈られる方が多いので、その方の頭のなかの理想像を引き出すよう心がけていますね」

しっかり要望を聞いてもらえることから、来店客の7割近くは男性といいます。

中には、プロポーズ、結婚式、子どもの誕生……と、「幸せの瞬間」ごとに必ず利用する男性も。「先日はその方のお子さんから、お母さんのプレゼントにとブーケを頼まれました。ご家族と一緒に私も成長しているようで、本当に嬉しいですね」

【プリザーブドフラワー 森本さん提供】



すべては「自分の身近なところから」

森本さんが常に目指しているのは「世界一幸せな花屋」。

世界一と言っても、決して大きな夢を語っている訳ではありません。森本さんの目線は常に「身近」に注がれています。「まずは家族、そしてスタッフが幸せでないと、お店にいらっしゃるお客さんも幸せにできないと思うんです。だから、あくまで自分の周囲を幸せにすることが基本。その輪を広げていきたいですね」

自分の周囲から―。その思いは、開業当初から変わっていません。実は店名の「倖晴」「Co-co」はともに、森本さんの家族の名前を組み合わせたもの。「家族あっての仕事ですから。一人ひとりへの感謝を忘れずにいたいので」

お客さん、家族、スタッフ、その一人ひとりへの思い。それは森本さんにとって「お嫁に行く」切り花一本一本への思いと変わらないものなのかもしれません。そして、森本さんのそうした気持ちこそが、たくさんの方に笑顔を咲かせている理由なのでしょう。


フローリスト倖晴        :https://www.facebook.com/florist.cosei/
フラワースペースCo-co:http://co-co8739.com/


取材時期:2019年8月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:大村 たかし
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Spot Information

フローリスト倖晴

住所 山口県防府市牟礼今宿2丁目15-1
営業時間 10:00〜19:00
定休日 火曜日
URL https://www.facebook.com/florist.cosei/

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