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2019/09/18 【山口】山口

カレー好き必見!全国でも珍しいパキスタンカレーの専門店が山口に|Knot(ノット)

by 甲斐 寛子
愛媛県出身。大学進学を機に広島へ。卒業後いったんは地元で就職するも、あまりに広島が好きすぎて再移住。好きな食べ物は焼き立てのパン。現在は広島のパン屋さんで働きつ…

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噂のカレーを求めて

今や「国民食」と呼ばれるほど普遍的な人気を誇る食べ物、カレー。巷で話題のおいしいカレーがあると聞けば、足を延ばさずにはいられない……そんな方も多いのではないでしょうか。

今回は、全国でも珍しいパキスタンカレーが食べられると聞きつけ、山口県山口市にあるカレー店「Knot(ノット)」を訪ねました。

商店街から一本入ったところに、小さな表札を発見。表札の手前を左手に入ると、

こんなに隠れていて大丈夫なのだろうか、と不安になるくらい奥まった場所に入口があります。

にもかかわらず、ランチのコアタイムを過ぎた13:30にして、店内は満席!あまりの賑わいにご挨拶もできず、営業終了後に再びお伺いしました。



故郷へUターンし、開業したカレー店

こうして念願のKnotさんへ。カウンター席とテーブル席があり、店内はアメリカのバーのような雰囲気です。

店長は、山口市出身の水田麦(ばく)さん。お客さんや町の方々からは、「麦ちゃん」の愛称で親しまれています。

学童保育の仕事をしていた奈良県から、約4年前にUターン。もともと好きだったパキスタンカレーをイベントで振る舞ったところ、カレー激戦区・東京から来ていたお客さんに「東京に連れて帰りたい……」と言わしめるほど大好評。

地元山口での働き方を模索していた水田さんは、当時地域の有志数名で運営されていたKnotを間借りし、2016年5月にカレー店を開業します。



これがパキスタンカレーだ!

 「麦ちゃんカレー」の愛称で親しまれている、Knotさんのパキスタンカレーをいただきます。

【カレーの上には玉ねぎの酢漬け「アチャール」など様々なおかずがトッピングされている。全体にまかれた緑色の野菜は、カレーにも使われている「フェヌグリーク」というスパイスの葉で「カスメリティー」という】


パキスタンカレーは、鶏肉、野菜、スパイスを、オイルで煮込んで作る無加水カレー。パキスタンの家庭料理が元となっています。一般的なカレーとは違う、しびれるように爽やかな辛さ。ホロホロとやわらかく、繊維状になるまで煮込まれた鶏肉。様々な野菜のおかずがトッピングされており、アドバイス通りに混ぜながらいただくと、最後の一口まで味や食感が変化します。

しびれるような独特の辛さの秘密は中華山椒。その他約10種類ほどのスパイスを、弱火で6〜8時間かけて煮込みます。「クセが強いスパイスほど実は熱に弱いので、弱火で煮込みます。『このスパイスのこの特徴が欲しい』という重要な部分にかぎって、たった30秒でもグラグラ沸騰させると飛んでしまうんです」(水田さん)



地方でコアな業態のお店を開くことについて

高校時代に書店で見かけた本をきっかけに、スパイスカレーに興味を持ち始めた水田さん。卒業後は仕事と並行してバンド活動をしており、ツアーで訪れる先々でカレーの食べ歩きをしました。

北は北海道から、南は鹿児島まで。その中でも横浜で食べた、「サリサリカリー」というお店のパキスタンカレーに衝撃を受けたそうです。

「初めて食べたときの正直な感想は、『これが、カレー?』といった感じでした(笑)それにもかかわらず、1週間経つと、不思議とまた食べたくなる。食べに行って、また1週間経つと、また食べたくなる。中毒性があるおいしさなんです」

パキスタンカレーに魅せられた水田さんは、ことあるごとにお店に通っては試行錯誤を繰り返し、独学で味を作っていきました。

そう、パキスタンカレーは、確かにおいしい。しかし地方では認知度が低い上に、そのおいしさや魅力に気づくには、若い頃の水田さんのように少し時間がかかります。

地方では珍しい業態のお店を山口で開業するのは、難しくなかったのでしょうか。

「地方は都市よりも分母が少ない分、コアなお店を始めると、気づいてもらいやすいというメリットがあります。また、地方に住んでいる方々にとっても、コアなお店が身近にできることで好奇心が刺激され、世界が広がるという良い点があります」

【貫徹したい初志とは何か尋ねると、「おいしいカレーを作る、ということです」とストレートな答えが返ってきた】


「もちろんデメリットもあります。例えば地方では、新しい習慣が受け入れられにくい。『ぜひ混ぜてお召し上がりください』とお声掛けしても、実際にぐるぐると混ぜて食べてくださる方はとても少ないです。また熱しやすく冷めやすい傾向もあるので、飽きられてしまわないよう、美味しいカレーを提供し続けることが大事だと思っています」



今後の展望

今後挑戦したいことをお伺いすると、「レトルトカレーを作りたい」というお返事が。また、新規に開業を目指す若者のために「間借りできる場所を増やしたい」とも言っておられました。

水田さんは、食後お店を出た瞬間に吸い込む空気がおいしくなるよう、その日その日の気候に合わせて、スパイスの配合を調整しているのだそうです。カレーを食べ終えてお店を出ると、汗をかいたこめかみをそよ風がなでていきました。わたしも胸いっぱいに夏の空気を吸い込み、爽やかな気持ちで帰路につきました。

取材時期:2019年8月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:甲斐 寛子
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Spot Information

knot

住所 山口県山口市米屋町2-26
TEL 080-3876-2141
営業時間 11:30~15:00 ※ディナータイムは別の方がバーとして営業されています。 事前に予約していただければカレーの方もご提供できます。
定休日 月曜日
URL https://www.facebook.com/dining.bar.knot/

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