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2018/09/05 【山口】下関

【お出かけナビ】あらゆる人が集まる社交場、下関のミニシアター

by 編集部:タンタン
ドライブ、温泉、さまぁ〜ずが好きな山口市育ち。道を極める職人の方のお話に興味津々。趣味の革細工も、いつか道を極めたいと奮闘中。 休日は、車で山口・広島・九州を巡…

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下関のミニシアターは、映画のような幕開け

心にのこって離れなくなったり、涙で前が見えなくなるほど感動したり、時には人生をも変えてしまう…映画には私たちの心を惹きつける強い力がありますよね。
数ある映画作品のなかでも、大型映画館では上映されないミニシアター系とよばれる映画。今回ご紹介する「シネマクロール」は、そんなミニシアター系の映画を月替わりで楽しめる映画館です。

シネマクロールは、山口県下関駅から徒歩15分ほどのところにある建物の3階にあります。同じ建物の2階にある雑貨店「Capanna di CIPOLLA(チポーラ)」のオーナー中村諭央(つぐひさ)さんと、映像制作会社cinepos(シネポス)の鴻池和彦さんが共同で運営しています。その成り立ちは、まさしく映画のような偶然の出来事でした。


2015年、チポーラにふらりと現れた男性。「カジュアルな雰囲気だけど、真面目そう、そして、少しだけ疲れているような、そんな印象だった」と中村さんは当時を振り返ります。
その男性こそ、のちにシネマクロールを共に立ち上げることになる鴻池さんでした。

【映像制作を手掛ける株式会社cinepos  鴻池さん】

下関市出身の鴻池さんは、東京にある映像制作や配給を手掛ける会社で映画プロデューサーなどの仕事をしていました。実家の郵便局を継ぐため、東京から帰郷して10年ほど経っていた頃でした。下関に戻っても、映画への熱い情熱を持ち続けていた鴻池さんが、休日にたまたま引き寄せられるように立ち寄った場所、それがチポーラだったのです。
二人は話すうちに、すぐに意気投合。

【Capanna di CIPOLLAオーナー 中村さん】

中村さんは、鴻池さんと出会った当時、建物の3階をイベントスペースとして利用しており、音楽イベント、絵画展、写真展などを開催していました。
ただ、20代をミニシアター系の映画を見て過ごしていた中村さんには、ひそかな夢がありました。「自分でも小さな映画館をやりたい」。
しかし、映画を上映するためには、著作権や配給にかかる費用など問題は山積み。
「でもなんとかしてやりたかった。だから、当時は会う人みんなに映画やりたいんだよね、と話していたんです。だから、鴻池さんが以前映画の配給会社で働いていたというのは幸運でしたね。今思えば、夢は口に出すと叶いやすくなるということを実感しています」と中村さん。
出会ったそのときは、「鴻池さんが映画監督として撮影した映画が完成した暁には、イベントスペースで放映できればいいね」という話で終わっていたそうです。

そして、ついに2016年3月、鴻池さんが映像制作会社シネポスを設立。その際、中村さんに起業のあいさつに行ったことで、二人の縁が再び繋がり、ミニシアターのオープンに向けて動き出したのです。

オープンするにあたり、鴻池さんは、四半期に1回のイベント上映ができればと考えていたそうです。しかし、中村さんと話していくうち、常設のミニシアターとして毎月1本ずつ上映することを決めました。「人々の生活のなかに、映画を見に行くという選択肢を自然に取り入れたかったんです。」と二人は教えてくださいました。

 

生活の一部として溶け込む映画を提供したい

「日本人は年に何回映画を見るか知ってますか?」鴻池さんから突然クイズ。……えーと、私は月に1回映画館に行くか、テレビで見るかくらいでしょうか…と答えると、「なんと、日本人で平均すると年1回なんですよ!それだけ生活の中に映画を見るということが溶け込んでいないということなんですよね」と残念そうに教えてくださいました。

ミニシアターで上映される映画は、大人が本当に楽しめる映画。「シネマクロールに来れば面白い映画が見れると知ってもらって、毎月ルーティーンのように見ていただきたいです。ミニシアター系と呼ばれる映画は、シネコンなど大きな映画館で上映される映画とは一味違います。仕事・生活背景・育ってきた環境など、それぞれ違う背景の中で、映画を見た人が感想を持って、感じて、考えてもらいたい。何が伝えたいのか、あのセリフはどういうことなのかなど、それぞれが感じるままに映画を楽しんでもらえたら嬉しいですね」と鴻池さん。

「映画を見て、感じて、そして会話を楽しむ。そんな社交場を作りたかったんです。今はそれがだんだんかなってきて、形になってきています。それがミニシアターの醍醐味なんですよ」と中村さんも語ってくださいました。
二人の熱意があれば、下関の地から、あらゆる映画が人々の生活の一部として浸透して行く日は遠くないかもしれません。

私も8月の上映作品を鑑賞しました。館内は20人が入れるくらいの広さです。

上映後、中村さんが映画の解説をされ、他の観客の方と感想やシーンの回想などの話をして盛り上がりました。その解説と会話により、映画を深く理解して楽しめたので、私もこのシネマクロールでの映画を見るのが恒例になりそうです。
帰りには、来月の上映分の前売り券を購入されている方もいらっしゃいました。着実に二人の想いは届いているんですね。

【建物全体がレトロな雰囲気】

シネマクロールでは、毎月1回、厳選したミニシアター系映画を上映しています。次回の上映は、「山村浩二 右目と左目でみる夢」というアニメーション映画です。

世界的に活躍するアニメーション作家である山村浩二さんの短編アニメーション9本が詰まった贅沢な作品です。上映後、映画を見たみんなで一緒に感想を語りあうことで、また新たな発見があるかもしれません。

映画を見て、語り合って、映画の醍醐味を味わう。この秋の夜長を、そんなふうに過ごしてみませんか。

■9月の上映期間/9月15日(土)〜9月21日(金)
上映時間/11:00、14:00、17:00、20:00
当日券   /1,300円
前売り券/1,100円【上映の前日までCapanna di CIPOLLA(TEL:083-227-4811)にて予約可能です。】

取材:2018年8月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:編集部:タンタン
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Spot Information

シネマクロール

住所 山口県下関市細江町2丁目2−10 3階
TEL 083-227-4811
URL https://ja-jp.facebook.com/cinema.chlorine/

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