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2018/09/07 【山口】萩

【プチドラ】山口県萩市・世界遺産を巡る旅

by 編集部:タンタン
ドライブ、温泉、さまぁ〜ずが好きな山口市育ち。道を極める職人の方のお話に興味津々。趣味の革細工も、いつか道を極めたいと奮闘中。 休日は、車で山口・広島・九州を巡…

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今年は明治元年から150年。ドライブしたり、写真を撮ったり、現在では当たり前のように送っている生活も、150年前はなかったものばかり。むしろ、SNSやスマホなど、20年前ですらなかったものが身の回りに増えていき、変化は早まるばかりですよね。

ただ、今年は明治150年であり、平成最後の秋でもあります。当時を思い起こさせる遺産が残っているのであれば、写真や映像で見るのではなく、今、この目で見たい!
プチドライブしながら、山口県萩市にある「明治日本の産業革命遺産」について学んできました。
 

萩で大切に残されている、歴史の資産たち

まず、車で萩市を走って気づいたのは、街全体の落ち着いた色合い。萩市は、景観法に基づく景観計画を策定し、2007年から運用しているそうです。建築物や広告物の高さ、色彩、形態などに基準を設けることで、美しい街の景観を街全体で守っています。いつも立ち寄る24時間営業のお店の看板も、萩では少しシックな装いに衣替えしていて、特別な気分を感じられますよ。

そして「明治日本の産業革命遺産」について。2015年7月に世界遺産として認定された明治日本の産業革命遺産は、8県11市にわたる23の資産で構成されています。そのうち、萩市には5つの資産があります。今回は、そのうち3つをご紹介します。

まず、萩市内から車で走ること5分。「萩反射炉(はんしゃろ)」にやってきました。

反射炉?聞き慣れない言葉ですね。

反射炉とは、西洋で開発された鉄などの金属を溶かす「炉」のことだそうです。なんで「反射」かと気になりました。反射炉は、構造として大きく炉と煙突に分けられます。炉の部分には、燃料室と溶解室があり、まず燃料室で炎を燃やします。燃料室の天井はドーム状になっていて、そこに炊いた炎と熱を“反射”させて、溶解室にある鉄に熱を集中的に当てて鉄を溶かす仕組みになっているから、反射炉っていうんですね。なるほど。

駐車場に車を停めて、階段を登っていくと、見えてきました。あれが反射炉!

高さ約10m、3階建の建物くらいの大きさ。頑丈そうな造りです。

こんなに立派なのに、当時の記録によると、実用炉の存在は認められず、試作的に作られたものだといわれています。萩藩では、嘉永6(1853)年ペリー来航後、安政2(1855)年に西洋学問所を開設し、翌年造船所を設立するなど軍備の拡充に努めました。その一環として、鉄製の大砲を作るため反射炉の導入にも取り組んだそうです。最終的には実用炉としての建設を断念したそうですが、この遺された萩反射炉から、西洋に負けない技術を取り入れようと奮闘した当時の人々の心意気を感じることができました
■萩反射炉/山口県萩市椿東4897-7


続いて、萩反射炉から車で3分、「恵美須ヶ鼻造船所跡」にやってきました。

江戸時代末期、ペリーの来航に衝撃を受けた幕府が萩藩にも大船の建造を要請し、安政3(1856)年に設立された造船所。同年の12月に全長25m萩藩最初の洋式軍艦「丙辰丸(へいしんまる)」が、その4年後の万延元(1860)年には「庚申丸(こうしんまる)」がつくられました。最初の丙辰丸は、日本の伝統的な製鉄方法である「たたら」で製鉄された「大板山たたら」の鉄が使用されています。日本の製鉄技術と西洋の造船技術の融合で完成した船なんですね。ちなみに、大板山たたら製鉄遺跡も「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして認定されており、萩市内から車で1時間弱で訪れることができます。

造船所跡のすぐそばには、当時の石畳の防波堤が残っており、その上に登ることができます。

当時の若者は大船が進水するこの防波堤から海を見ながら、どんな未来を描いていたのでしょう。この場所で世界と渡り歩ける船を作っていたんですね。
■恵美須ヶ鼻造船所跡/山口県萩市椿東5159-14 


続いては、「松下村塾」。こちらは、恵美須ヶ鼻造船所跡から車で10分。

現存するこの松下村塾は、安政4(1857)年から塾舎として使われていました。8畳の講義室と10畳半の控えの間があるこぢんまりとした印象の木造の建物は、間近で見ることができます。松下村塾を開いていたとき、吉田松陰は20代後半。ここで高杉晋作や伊藤博文が学び、日本近代化の礎を築いたんですね。実際に近くで見てみると、この静かな佇まいの中に、当時の熱い講義が目に浮かび、塾生の声が聞こえてくるようでした。
■松下村塾/山口県萩市椿東1537


今回は、萩をドライブしながら、幕末から明治にかけて当時の様子がわかるプチタイムトリップの旅をしてみました。当時のことを思いながらドライブして巡ると、写真や映像では分からない、情緒的な部分もあわせていろいろな発見があり、明日も一日頑張ろうと思えてきました。皆さんも、明治150年の節目の年、今度の休日に訪れてみてはいかがでしょうか。

取材:2018年8月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
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取材・文:編集部:タンタン
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