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2018/09/19 【山口】下関

【やまぐち自転車旅】海あり山ありおやつありの歴史探訪!

歴史好きでなくても楽しめる
「維新の志士」ルートへ!

最近、女性たちの間でサイクリングが話題になっているのをご存知ですか?

その理由は、いろいろありますが、いちばんはやっぱり気持ちのいい風や景色を五感で味わいながら健康的に楽しめること。スポーティーながらおしゃれで女性でも乗りやすい自転車やサイクリングに合うファッションも増えてきています。

そして、実は今、山口県でも秘かなサイクリングブームが巻き起こりつつあります。

もともと山口は変化に富んだ風光明媚なエリア。穏やかな瀬戸内海と青く荒々しい日本海という2つの海に挟まれ、秋吉台をはじめとする雄大な景色もたくさんあります。さらには、ロマンをかきたてる史跡や地域の特色が出たカルチャースポットも豊富で、旅をしていても飽きません。

そんな山口を巡るのに自転車はぴったり♪

しかも今、「サイクル県やまぐち」というプロジェクトが進行中で、修理工具やポンプなどを置いたサポート施設を設置したり、さまざまなサイクルイベントを企画したりとサイクリングファンにとって行きたくなる要素が満載なんです。

まず手に入れたいのが「サイクリングマップ」。山口県内のさまざまなサイクリングコースを「秋吉台グリーンカルスト街道」や「萩世界遺産海道」など12のコースに分類して、テーマに沿った景観やカルチャーを楽しめるようになっています。季節やその日の天気によって決めてもよし、ルート上や周辺で行きたいスポットをチェックしてから出かけるもよし!

初心者さんでも安心!
約33.7kmのやさしめコース

今回はその中の「維新の志士街道」に挑戦。

ちょっと渋めですか?「歴史そんなにくわしくないけど…」と不安な気持ちが頭をもたげましたか?このコースは総走行距離が約33.7㎞と最も短く、サイクリング初心者でも挑戦しやすいコースなんです。


大まかな位置を説明します。
スタート地点は、九州と山口をつなぐ関門海峡で、
ゴールは山陽小野田市の厚狭駅です。

1.関門トンネル人道
2.心地よい海沿いルート
3.城下町のサイクルエイドでひと休み
4.高杉晋作ゆかりの「功山寺」
5.古江小路の石畳
6.うまいもん発掘「中浜市場」
7.サイクリングルートの半分を占める平坦な道
8.高杉晋作ゆかりの「東行庵」
9終着地点の「厚狭駅」


タイトルこそ歴史好きに響く名前ですが、サイクリングコースとしても海あり山ありでそそられるルートです!行ってみましょう!!

1.関門トンネル人道


スタート地点は「関門トンネル人道入口(山口県側)」です。この「関門トンネル人道」は、山口と福岡をつなぐ地下通路で徒歩や自転車で通れる上に県境をまたげる観光スポットです。歩行者用人道トンネルは徒歩での通行は無料ですが、自転車は20円。せっかくなので今回は門司側からスタートします。入口に設置された料金箱に通行料を入れましょう。スイスイーッと飛ばしたくなる気持ちをこらえて、自転車はトンネル内では押して歩くのがマナーです。


地上に出るとすぐ目の前に関門大橋と、下関みもすそ川公園の天保製長州砲が見えます。明治維新のきっかけとなった攘夷(じょうい)戦争や下関戦争で使用された大砲を原寸大で復元したもので、100円玉を入れると大砲を発射したような大きな音が鳴って、砲身から煙が出てきます。ぜひ、お試しあれ。

2.心地よい海沿いルート


関門トンネル人道を出発してしばらくは、右手に九州を眺める海辺の道が続きます。海や海風ってなんでこんなに気持ちがいいんでしょうね。清涼飲料水のCMの主役になったような心持ちで鼻歌交じりに漕いで漕いで漕ぎまくりましょう。途中からゆるやかな峠道に入り5㎞ほど走ると長府の城下町に到着。

3.城下町のサイクルエイドでひと休み

長府の街にある「長府観光会館」は「サイクルエイド」と呼ばれる自転車用のスタンドを設けた立ち寄り施設に指定されています。このあたりで休憩はもちろん、観光情報を集めるのもお忘れなく!

長府は長府毛利藩のお膝元として栄えた城下町なんです。約3万㎡の回遊式庭園がある長府庭園や、紅葉の名所としても知られる長府毛利邸の庭園など、自転車を降りて立ち寄りたくなる趣のあるスポットもいろいろありますよ。


4.高杉晋作ゆかりの「功山寺」

長府の街並みに入ってすぐにあるのが、鎌倉時代に創建された功山寺。かの高杉晋作が決起、挙兵した地だそうです。自転車なんてない時代ですから、数多くの人が集まるのも大変だっただろうなぁなんて考えてしまいますね。

正面の階段を登ると二重櫓(にじゅうやぐら)造りの堂々とした山門が見えてきます。秋には美しい紅葉が楽しめるそうなので、その季節にまた来てみたいです。


仏殿は日本最古の禅寺様式を残しており、国宝に指定されています。

調べてみると、晋作は伊藤俊輔(伊藤博文の長州藩士時代の通称)率いる力士隊と石川小五郎率いる遊撃隊ら、80人程度で挙兵したとされており、境内には晋作が挙兵の際に飲んで成功を祈ったとされる名水も湧いていて、今でも飲むことができます。自転車に乗る前に、歴史に思いを馳せながらグビッと1杯、いただきます。

5.古江小路の石畳


サイクリングロードとして見逃せないのが、この古江小路!功山寺から少し坂を下った場所にある石畳の道で、他ではあまり見ないような黄色がかった土壁と城下町の風情がたまりません。ここを自転車で走っていると、ゴゴゴゴと石畳がタイヤに響いてきます。タイムスリップしてきたような不思議な感覚を覚える街並みです。

6.うまいもん発掘「中浜市場」


さて、そろそろお腹が空いてきたな〜と考えながら長府の商店街を通っていると、気になる建物を見つけました。昭和の香りが色濃く残るレトロな佇まいで、壁には「中浜市場」の文字。扉を開けて入るとウナギの寝床のような細長い建物に、鮮魚店や精肉店など約10軒が軒を連ねています。懐かしい、そして温か過ぎます。


入口に一番近い場所に「ひら田総菜店」という、ショーケースにおいしそうな惣菜がぎっしりと並んだ店がありました。昼時ということもあり、お客さんが入れ替わり立ち替わり訪れてはボリュームたっぷりの巻き寿司や、ひじきの煮物、さつまいもの天ぷらなどを買っていきます。地元ではかなりの人気店のようです。市場内にはちょっとした飲食スペースも設けてあります。


私もいなり寿司(1個80円)とポテトサラダ(150円)を買ってみました。どちらもシンプルな味付けでやさしい味。おまけでいただいたおからコロッケもダシが効いていてとてもおいしかったです。

ひら田総菜店の方によると、この市場は約60年前にできたそう。以来、屋根や空調設備がついて少しずつ快適になってきたんだとか。

この日は炎天下の中、道路工事が行われていたのですが、市場で働く女性が「暑いからしっかり水分補給してね」と交通整理のお兄さんにペットボトルのお茶を差し入れしていました。そんな昔ながらの人情が息づく市場で元気をもらい、後半戦に突入。高杉晋作の墓所である東行庵を目指します。

7.サイクリングルートの半分を占める平坦な道


長府を出たあとは、比較的平坦な田舎道を15㎞ほど走ります。15kmというと今回のコースの約半分を占めるんです。長く感じませんか?でも走ってみると、これが意外とあっという間なんです。時間にすると40分前後。最初は鼻歌を歌いながらだったのが、途中から声を出して歌ってしまうぐらい楽しい時間でした。

途中、木屋川沿いに広がる河原の緑が元気をくれて、山陽新幹線も見えました。


8.高杉晋作ゆかりの「東行庵」

歴史を感じる「維新の志士」コースとしては、メインのひとつである「東行庵」は、維新の英傑として活躍しながらも、わずか27歳の若さで生涯を終えた高杉晋作の霊位礼拝堂として明治17(1884)年に創建された寺です。

別名「花の寺」とも呼ばれ、椿や桜、花菖蒲など四季折々のさまざまな花が咲き誇ります。2月中旬から3月中旬には、晋作が愛したといわれる梅の花、約200本が見頃を迎えます。


備前焼で作られた高杉晋作陶像。


境内の山手側に史跡・高杉晋作の墓があります。晋作が晩年に書いた手紙には墓に刻んでほしい言葉を記していたそうですが、手紙の発見が遅く、実現しなかったそうです。こういうちょっとしたドラマに心くすぐられます…。

9終着地点の「厚狭駅」

さぁ、いよいよ、ゴールの厚狭駅へ。終盤にかけて100mほどの高低差を登り切る峠が2つやってきます。この最後のがんばりポイントをクリアするとゴールはすぐそこ。途中には果実狩りなどができる体験農場「花の海」も!季節によって旬のフルーツは違いますが、スタミナに自信があれば寄り道をおすすめします!


山陽小野田市内に入って、ゴール地点の厚狭駅に到着〜〜〜!


駅前のロータリーには何やら立派な翁の銅像が立っています。

台座には“寝太郎之像”と書かれています。そう、昔話で有名なあの三年寝太郎の像です。寝太郎はその昔、湿地帯だった厚狭の「千町ヶ原」を、厚狭川に堰を設けることで水田に変えたと伝えられる“偉人”で、いまでも厚狭の人々に親しまれているそうです。

今回のサイクリングコースは、幕末期を生き抜いた志士に思いを馳せつつ、海あり山ありご馳走あり、季節によっては花も団子も欲張って、そんな見所満載のルートですね。また機会があれば、ほかのコースもまわってみようと思います。

■サイクル県やまぐちProject
http://cycleken-yamaguchi.com

執筆:2018年8月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

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