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2018/09/22 【山口】

【やまぐち自転車旅】秋吉台を満喫するなら自転車で!

by 陣内 研治
タウン情報誌の編集部、寿司職人見習いなどを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。食や暮らしまわりの取材から地域活性化のお手伝いまで仕事の幅はさまざま。…

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秋吉台の大地の鼓動を
自転車で感じよう


山口県の観光スポットを自転車でまわる“ここいろ的”「サイクル県やまぐち」プロジェクトの第2弾。前回走った「維新の志士街道」に続き、今回は「秋吉台ジオアドベンチャー輪道」にチャレンジしたいと思います。

アドベンチャーという響きには大人になっても心くすぐられるものがありますね。このコースの見どころは、太古の昔、この地で起こった海底火山や地殻変動によって作られたダイナミックな地形や、全国でも珍しいコバルトブルーの池などの自然の不思議を感じられるスポット。

雄大な自然を望むコースは
獲得標高761mと少しアップダウンあり

サイクリングではスタートからゴールまでに上った高さの総計を“獲得標高”というのですが、前回の獲得標高331mだったのに対し、今回は761mと2倍以上。ちょっとハードな道のりになりそうです。

1.道の駅おふく
2.別府弁天池
3.秋吉台リフレッシュパーク
4.長登銅山跡
5.道の駅みとう
6.秋芳洞
7.道の駅おふく


1.道の駅おふく

自転車旅のスタートは美祢市の「道の駅おふく」から。「秋吉台ジオアドベンチャー輪道」は、秋吉台をぐるりと周遊するようなコースなので、ゴール地点も同じ場所に設定されています。ここは秋吉台の西側に建つ道の駅で、2018年4月にリニューアルしたばかり。おしゃれなお土産コーナーや温泉など気になる施設もありますが、それはゴールしてからのお楽しみ♪

さぁ、出発です!「道の駅おふく」を出て、線路沿いの道を走ってから秋吉台の方へと曲がり、のどかな田園地帯を進んでいくと、最初の目的地「別府弁天池」に到着。ここまで約5kmなのでウォーミングアップにちょうどいいですね!

2.別府弁天池

「別府弁天池(べっぷべんてんいけ)」は名水百選のひとつ。カルスト地域の特徴として、いたるところに湧泉が現れるそうですが、中でもここは屈指の大きさなんです。小さな清流をたどっていくと、突然、コバルトブルーの池が現れます。


水は透明なのですが、なぜか池の深い場所に行くにつれてブルーが濃くなっていき、最深部は自然界にある色とは思えないほどの青さに。ここは南の島なんじゃないかと疑いたくなるような鮮やかな色に思わず感動です…!

上の写真もものすごく濃いブルーに見えると思いますが、写真には一切の加工をしていません。Instagramのハッシュタグだったら、Instagramだったら、“#写真加工なしでこの青さ”とつけたくなるレベルです!

青く見えるヒミツは、水の中に溶け出したカルシウムが太陽の光の中の青い光線だけを反射するからという説が有力ですが、実は未だに解明されていないそうです。


湖面の青さに対して、池や川の底には赤い石がたくさん見られます。これはサビや汚れではなく、「ベニマダラ」という藻類の一種が石の表面に付着しているからだそう。


さて、別府弁天池を満喫したら「秋吉台リフレッシュパーク」に向かいましょう。ここからはこのコース一番の難所で、距離こそ約11kmですが、高低差200m程を上らないといけません。ちょっと気合が必要です…!幸い車通りも少ないので景色を見ながらはりきって山道を進みましょう。

3.秋吉台リフレッシュパーク


ふ〜、やっと着いた…!太ももが少し悲鳴をあげていましたが、そんな時にちょうどいい、まさにリフレッシュ処「秋吉台リフレッシュパーク」。

秋吉台リフレッシュパークは、オートキャンプやトロン温泉など自然の恵みを感じながら過ごせる高原のリゾート。すぐ近くには、秋吉台の鍾乳洞群のひとつ「景清洞(かげきよどう)」もあります。ここは壇ノ浦の戦いで敗れた平景清が身を隠したという伝説からその名が付いたといわれます。


パーク内には一軒家カフェなど飲食店も点在しています。こちらは天然酵母を使った石窯パンの店「Boulangerie Kura」。あんパンを買って目の前にある芝生広場で食べたら、心身ともにリフレッシュできました。パンやコーヒーが普段よりおいしく、カロリーも気にすることなく楽しめるのはサイクリングの副産物だなと秘かにいつも思っています。

さてさて、お次も秋吉台の大地が生んだ不思議なスポットへ。自転車で走りやすい山道、勾配も先ほどよりは穏やかで距離は約7.5kmです!

道中、「サファリランド」の看板や山口県ならではの夏ミカン色のガードレール、その向こう広がるのはとにかくのどかな田園風景。走っているともちろん体は少しずつ疲れてきているのでしょうが、空気がおいしくて、心は何だかすっきり晴れていくような感じがします!


4.長登銅山跡

到着したのは「長登銅山跡(ながのぼりどうざんあと)」。日本最古の国営の銅山で、あの奈良の東大寺を建立する際、大仏を作るための銅を送っていたんだとか。奈良の大仏に銅を献上していたため、“奈良登(ならのぼり)”の名前を賜り、それがいつしか訛って“長登(ながのぼり)”となったそうです。


入り口には「長登銅山文化交流館 大仏ミュージアム」があります。秋吉台と長登銅山の成り立ちをはじめ、奈良の大仏との結びつきなど古代から近代までの銅生産の歴史が学べて、「へぇ〜」と驚きと感心の連続でした!いわゆる有名な武将や傑物でなくても、よくよく読んでみるとおもしろい歴史ってたくさんあるんですね。


近隣で採取された、国内最大級の酸化銅・鉛鉱石も展示されています。長さ80㎝、幅35㎝、高さ40㎝という大きさは、世界的にも類を見ないそうです。


大仏さまの“故郷”だからか、極楽浄土を思わせる美しい蓮池もありました。

5.道の駅みとう

さぁ、今回のサイクリングコースも後半戦ですよ!坂道を約3.5km下ると、「道の駅みとう」に到着しました。


美東町が奈良の大仏のふる里と言われるため、そのシンボルとして高さ4mの福々しい笑顔の大仏さまが建てられています。大仏さまと言うよりお地蔵さんと言いたくなるような親しみやすい表情ですね!


道の駅みとうは交流館やショッピングセンターを併設した、全国でも珍しいタイプの道の駅なんです。すぐ隣を流れる太田川の景観を生かして、水辺の魚や水鳥と触れ合える親水公園も整備されています。周囲の山の緑も美しく、穏やかな清流が、ちょっと疲れが溜まりつつあったサイクリストの心を落ち着かせてくれます。近所にあったら毎日でも散歩したい、本当に気持ちのいい場所でした。道の駅みとうから「秋芳洞」までは、ほぼ平坦な田舎道が約20km続きます。

6.秋芳洞


そして、到着!秋芳洞の“門前町”には「MINEまるごと館」というサイクルエイド(自転車スタンドがある立ち寄り施設)が設けられています。館内には周辺の観光情報も紹介されているので、情報収集にもぴったりです。


ここらでお腹も空いてきたので、秋芳洞の入り口近くにある「観光会館 安富屋」に入ることにしました。土産物コーナーの奥に食事処があり、ご当地食材の美東ごぼうを使ったごぼう麺(850円)が名物だそうです。料理を待つ間、空腹と心地よい疲れでフッと眠気に持って行かれそうになりますが、しばらく待つとごぼうのいい香りが…!


こちらが“やまぐち美食コレクション2013”西部エリアの麺部門1位に輝いたというごぼう麺。料理が運ばれてくるときに「ごぼうの風味を楽しんでもらえるように、薬味をかけずにお召し上がりください」と声をかけられるのですが、その言葉通り、ごぼうチップスを口に入れると、いまだ味わったことのないようなごぼうのいい香りが鼻に抜けていきます。また、麺にもごぼうが練り込んであり、噛むほどにまたムクムクとごぼうの香りが漂ってきます。これはわざわざ食べに訪れる価値のある、ご当地麺ですね。

そしていよいよ秋芳洞の中へ潜入します(入洞1,200円)!


総延長10.3㎞を誇る鍾乳洞の規模は日本最大級。そのうちの約1㎞が公開され、散策することができます。皿状の平たい岩が連なる百枚皿や、高さ15m、幅4mの巨大な岩がそびえ立つ黄金柱など、長い年月をかけて作られた自然の造形美に目を奪われます。サイクリングで少し温まった体をここで少しクールダウン。


帰り道の商店に、鍾乳洞の鍾乳石が販売されていました。100円というお手頃価格。サイクリング用の小さなバッグにも入りそうなので、お土産として買って帰るのもいいかもしれません。

さあ、秋芳洞を出てラストスパート。のどかな里山の道を10㎞ほど走って、スタート地点の「道の駅おふく」に戻ってきました。

7.道の駅おふく


思わず「ただいまー!」と言いたくなっちゃう達成感です。施設内には「足湯」が設けてあり、無料で足の疲れを癒すことができます。これはかなりうれしいサポート…!
今回はせっかくなので、施設内の「於福温泉(おふくおんせん)」に入ることにしました。


湯は地下1,250mから湧き出ているもので、全浴槽が源泉掛け流しという贅沢な温泉です。泉質は弱アルカリ性単純温泉で、疲労回復のほか美肌効果も期待できるとのこと。まさに今この瞬間欲しい全てがあるんです。温泉で汗を流してさっぱりしたあとは、直売コーナーに寄り道。


2018年のリニューアルで物販エリアやレストランは黒と白を基調にしたスタイリッシュでとてもおしゃれな空間に生まれ変わりました。販売する商品も美祢市の地域ブランド「Mineコレクション」をはじめ、地元農家が生産する農産物や県内の地酒など厳選されたものばかり。
直売所の一角には手作りシャーベット工房があり、山口県産の果物や野菜を使った氷菓が製造・販売されています。


さっきごぼう麺を食べたはずなのに、これが別腹というやつでしょうか。私は美祢産の木苺を使ったシャーベット(300円)を注文しました。牛乳や卵などを使っていないため、木苺ならではの爽やかな酸味がしっかりと味わえて、とてもおいしかったです。

今回のコースをまわってみて、改めて秋吉台が日本でも類を見ないようなユニークでダイナミックな大地だということが実感できました。

季節でおすすめなのはスポーツの秋か緑が元気になる初夏でしょうか。皆さんも秋吉台で爽快なサイクリングを楽しんでみてください。

■サイクル県やまぐちProject
http://cycleken-yamaguchi.com

執筆:2018年8月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:陣内 研治
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