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2018/09/28 【山口】萩

【まちに人あり歴史あり】地元と旅人をつなぐゲストハウス

ゲストハウスは旅人と
その地に暮らす人の交差点


海外でおなじみのゲストハウスが近年日本でも増えています。ホテルや旅館のように泊まれるという点は変わりませんが、ゲストハウスならではの大きな特徴は「価格がリーズナブル」「交流が生まれやすい」という点です。個室ではなく、複数人で雑魚寝スタイルの部屋が多く、海外からのゲストにも人気なので旅先での人との出会いを楽しみたい人にはうってつけなんです。

最近萩市で注目を集めているゲストハウスがあります。その名も「萩ゲストハウスruco(以下ruco)」。2013年10月のオープン以来、多くの観光客に支持されています。

部屋は、少人数のグループ向けに畳敷きの1〜3名用の個室があるほか、女性専用の6名用のドミトリーと男女混合の8名用の部屋があり、1泊2,800円ととってもリーズナブル。食事がつかない素泊まりなので、そのまちの居酒屋や食事処を利用する楽しみもあります。いわゆる観光客向けの店ではない、地元の人の行きつけの店を訪ねて行くのも乙ですね。

「ruco」の1階はゲストハウスのフロントであり、カフェ&バーでもあります。


普通はホテルのフロントと言えば、って泊まる人が出入りするだけで、地元の人はいませんよね。でも「ruco」のフロントカフェは近所で働く地元の人の憩いの場でもあるんです。外からやってきたツーリストと地域で暮らす人との交流が生まれ、ここがみんなにとってのターミナルのようになっています。


2階にもカフェスペースがあり、宿泊者以外も利用できます。ここでゆっくりお茶をしながら情報収集をするのも旅を楽しくするコツかもしれません。


バックパッカーの利用が多いため、インターネットが利用できるパソコンも設置しています。


ですが、ネットよりも塩満さんや地元の人に聞く方がコアな情報に出会えると、あまりパソコンは使われていない模様(笑)。うれしい誤算ですね。

「ruco」のソファやインテリアはどれも個性的で存在感を放っています。萩市在住の家具職人の方が手掛けているのですが、1階から2階へ上がる階段の壁にも色とりどりの美しいモザイクアートが飾られているんです。よく見るとこれも萩ガラスや萩焼、大漁旗の布などほとんど萩ならではのモチーフで構成されているそう。


こういう細やかな演出も「ruco」らしさのひとつ。観光客にとっては「これ何だろう」と興味を持つきっかけになるし、地域の人にとっても萩を誇らしく思えるきっかけになるのではないかと感じました。

1階から2階が吹き抜けになっていて、文字通り風通しのいい空間が広がっています。若い学生さんもいれば年配の方も、性別国籍もさまざまな人たちがこの場所で会話を弾ませるのが「ruco」の日常です。インターネットでは見つけることができないレアな情報や萩の“今”、そして人の温もりが感じられます。


「ruco」誕生の秘話

観光地としても人気の高い萩において、観光の拠点のひとつとして大きな成功を収める「ruco」。ここが生まれた経緯についてオーナーの塩満さんに話を伺います。


萩出身の塩満さんは大学進学を機に地元を離れ、大学時代にカナダやニューヨークに留学。卒業後は関東でサラリーマンとして働きながら「いつかは地元に戻って、人が集うような場所をつくりたい」とおぼろげに考えていたそうです。

そんな思いに導かれて帰郷してみたもののすぐにゲストハウスをオープンしたわけではありませんでした。当時まだ萩市にゲストハウスというものがなく、周囲もそんなビジネスが成り立つのだろうかと半信半疑だった上、なかなかいい物件にも出会えなかったそうですが、塩満さんはゲストハウスの可能性を信じ続けていました。

オープンの前の年である2012年に、アルバイトをしていた居酒屋で縁があり、「バーをやってみないか」と声が掛かり、初めて経営に挑戦したそうです。そして、これが大事な転機になりました。

「ゲストハウスとは業態が違いますが、バーもまた多くの人が集う場所です。ここで一気に人とのつながりが増えました。何より自分がやりたいと思っていたゲストハウスのイメージが明確になったんです」と塩満さん。バーの常連さんから萩市内の物件情報を紹介してもらったりもしながら、最終的には自身で理想とする物件を見つけます。うまくいくときは導かれるようにトントン拍子で進むというのはまさにこういうことをいうんですね!

そして2013年、満を持して「ruco」開業。

建物はもともと音楽の専門学校や楽器店が入っていた4階建てのビルを利用し、中身をガラリと作り変えました。空間デザインや施工、家具など関わってくれたのはみんな塩満さんの友人たち。東京で知り合ったインテリアデザイナーや地元の職人たちの思いが「ruco」という夢を形にしてくれたのです。

自分の未来をより良いものに。
結果としてそれが萩のためになれば

萩で生まれ育ち、世界を旅して、再び萩に戻った塩満さんだからこそ思うことがあるそう。

それは「山口県はもっとやれる」ということ。

ここ数年、観光客が増加傾向にある山口県。2018年は明治維新150周年を迎え、秋には「山口ゆめ花博」が開催されるなど注目を集めてもいます。「ruco」も週末はほぼ満床で海外からのツーリストも増加傾向だとか。「だからこそ」と塩満さんは言います。

「萩は、明治維新胎動の地という日本の歴史上とても意義のある地で、数々の名士を輩出したことは私たちの誇りです。そんな萩の魅力を僕なりの方法で伝えていけたらと考えています。それは発信といった大それたことではなく、純粋に自分自身が良いと思ったことをシェアするという感覚に近いですね」。


現在「ruco」を営む傍ら、自身がいいな、素敵だなと思ったことを何かしらの形で伝えられないか考えているという塩満さん。エリアや官民の垣根を越えて、それぞれが手を取り合って良さを生かし合えたらと続けます。「新しいものを持ってきたり、つくるというよりは、ここにあるたくさんの価値あるものを再発見しながら、新しい未来を切り拓いていけたら」と語る塩満さん。


柔らかい印象ながら、その眼差しと思いはただまっすぐに未来を見据えています。

萩に遊びに来たらぜひ「ruco」に立ち寄ってみてください。宿泊先としてはもちろん、ひと息ついて旅の情報を見つけるきっかけとしても。カフェ&バーでおすすめのメニューは山口県萩のビール「チョンマゲビール(650円)」と萩の特産「夏ミカンジュース(400円)」や「夏ミカンウォッカ(500円)」です!味わう価値ありですよ♪


取材:2018年9月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

Spot Information

萩ゲストハウスruco

住所 山口県萩市唐樋町92
TEL 0838-21-7435
営業時間 チェックイン16:00、チェックアウト10:00
定休日 不定休
URL http://guesthouse-ruco.com/

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