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2018/08/06 【山口】小野田

【まちに人あり歴史あり】ガラス作家の住むまちでアート観賞

by 戸田 かおり
生まれも育ちも福岡、食や芸術の魅力が溢れるまちに興味津々。 普段は人物インタビューや冊子やWebの編集企画を通して、 大人の女性のアンテナに響く、上質なモノやコ…

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透き通る唯一無二の美しさで人を魅了するガラス

旅に出る目的は、食だったり景色だったり人によってさまざまですが、
今回は「ものづくり体験・アート観賞」のおすすめスポットを紹介します。


山陽小野田市の焼野海岸にある「きららガラス未来館」は生涯学習施設として吹きガラス・とんぼ玉体験のほか、さまざまなガラス体験が楽しめます。
また館内では現代ガラスのアート作品の展示やガラス作品の販売も行っています。


世界的に見てもヴェネチアン・グラスや江戸や薩摩の切子ガラスなど、世界各地で名産となっているガラス製品は多く、透明で、色鮮やかで、光に照らされてきらきらと輝く様子はまるでジュエリーのようで見る者の心を虜にします。


 

窯業のまち・小野田でガラスが注目を集め始めた理由

工芸品としてガラス製品が有名なまちは日本国内でも数カ所ありますが、
実はここ小野田のガラスも近年注目を集めるようになってきたのです。

少し歴史を紐解くと、小野田は昔から窯業のまちとして発展してきました。
古くは6世紀後半に「須恵器」の生産地として賑わい、
明治14(1881)年に国内初の民間セメント会社が設立。
使っていた窯が徳利に似ていたことから「徳利窯」という愛称で親しまれ、
今ではその窯が、国の重要文化財に指定されています。


徳利窯(本物)

また、明治22(1889)年に硫酸会社が設立され、非常に酸の強い硫酸を入れるための硫酸瓶がガラスで作られたこともあり、製陶業が盛んに。
そして現代ガラス造形作家の第一人者である故・竹内傳治氏がここ小野田で生まれたこともあり、市の公共施設などに今もその作品が飾られています。


竹内傳治

竹内氏は、2001年に開かれた「第1回現代ガラス展inおのだ」の立ち上げに関わり、若手作家らから応募された作品審査会の審査委員長を務めましたが、その開催を目前に亡くなってしまいました。

しかし、築いてきた歴史や作品は2004年に開館したきららガラス未来館にも残され、今も竹内氏の作品を見るために多くの人が訪れます。

 

ガラス作家の指導のもと、自分だけのガラスアートを作る喜び

きららガラス未来館では、竹内氏の遺志を受け継ぎ、現代ガラス展での入賞を機に山陽小野田市に移住したガラス作家の作品も展示・販売しています。

また、7種類の体験コースでは、ガラス作家による指導やアドバイスを受けることができるので初めての方でも安心して楽しむことができます。

・吹きガラス体験(2,620円〜)
 小学生から体験可能でグラスや花瓶等が作れます。

・とんぼ玉体験(1,900円〜)
 ガラス棒を火で溶かし、色々な模様のガラス玉を作ります。


・サンドブラスト体験(1,070円〜)
 ガラスの表面に砂を吹きつけてすりガラス模様をつけます。

・ガラスアクセサリー体験(1,590円〜)
 オリジナルのガラスパーツを選び、ビーズと組み合わせてネックレスやストラップを作ります。

・エナメル絵付け体験(1,280円〜)
 ガラスの表面にエナメルの絵具で、子どもの手形や足形を取ったり、メッセージを入れたりできます。


・ジェルキャンドル体験(1,070円〜)
 ガラスや貝殻・カラフルな砂を置き、透明なジェルを入れて、きれいなキャンドルに。

・万華鏡体験(1,250円〜)
 彩り豊かなガラスパーツとビーズを組み合わせて、オリジナルの万華鏡が完成。


夏休み期間中は、小学生の自由研究の工作で多くの家族客が来館するそうですが、

普段は、おじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントを作ったり、若いご夫婦が絵皿に赤ちゃんの手形・足形を取ってご両親へのプレゼントにしたり、親しい友人の結婚祝いに吹きガラスでペアグラスを作ったりと、大切な方への人生の節目のギフトとして、世界に1つだけの手作りのガラス作品を贈る方が増えているそう。

 

国内外に向けて小野田のガラス文化を発信する拠点として

きららガラス未来館では、展示や体験を通じて現代ガラスの魅力を伝えています。
また、山陽小野田市内の小学生は授業の一環として、ガラスの体験と吹きガラスのデモンストレーション見学をするそうで、小さい頃から山陽小野田のまちとガラス・窯業の関係性を学んでいます。


作る過程も魅力があるからこそ、学校・福祉施設・子ども会など団体での来館やイベントでの出張体験の依頼も多く、できあがった作品を見るだけにとどまらないのでしょう。

建物の設計がかの隈研吾氏であることから、近くの「ソル・ポニエンテ」と合わせて建造物を見に来るファンも多いそう。

の他、毎年夏に行われる「ふれあいガラスフェスタ」では多彩なゲストとコラボレーションするガラスアートの制作や様々な体験イベントを開催しています。


毎年11月には郵便局とコラボして、「ガラスのスタンプをつくろう」という企画も実施しています。

年賀状に使えるスタンプを作るのもよし、一生使える自分だけの名前スタンプを作ってもよし。


また2018年は、3年に1度のガラス展を開催中(〜8/26(日)まで)。

本展示で飾られる作品は、故・竹内傳治氏の遺志を受けて開催された、45歳以下の若手ガラス作家の登竜門的コンペティションの受賞・入賞作品です。


川田絢子作「吸収」


橋本倫礼作「生い立つ」

本会場では「きららガラス未来館」所属のガラス作家の作品にも出会えるのでぜひ「おのだサンパーク 2F大催事場」に出かけてみてください。


松尾具美作「層」


𠮷見萌作「rabbit」

第7回 現代ガラス展in山陽小野田

会場おのだサンパーク 2F大催事場
期間2018/7/7(土)~2018/8/26(日)
時間10:00〜19:00(入場は30分前まで)
住所:山口県山陽小野田市中川6-4-1
電話:0836-83-1389
入場料:500円(高校生以下無料)

<特別作品展>「現代ガラス展」の歴代入賞作品を中心に約25点を特別展示

会場山口県立萩美術館・浦上記念館 展示室8
期間2018/9/11(火)~2018/9/24(月)
時間9:00〜17:00(入場は30分前まで)
住所:山口県萩市平安古町586-1
電話:0838-24-2400
入場料:一般300円、学生200円

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:戸田 かおり
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Spot Information

きららガラス未来館

住所 山口県山陽小野田市大字小野田7534番地4
TEL 0836-88-0064
営業時間 9:00〜17:00
URL http://www.onodaglass.jp/

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