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2018/10/13 【山口】萩

【やまぐち自転車旅】絶景シーサイドロードで日本海へ!

サイクリングシーズン到来!
世界遺産から地球の記憶まで

山口の魅力を自転車で巡る旅記事も歴史を旅した維新の志士ルート秋吉台アドベンチャールートの記事に続いて第3弾です!今回のサイクリングコースは、萩の中心部にある世界遺産などを経由して、絶景の断崖「須佐ホルンフェルス」を目指す、総走行距離41.3㎞の道のりです。

大まかなコース内容はこちら。

1.JR萩駅
2.風情ある萩の城下町
3.世界遺産に登録された松下村塾
4.山口の産業革命の象徴・萩反射炉
5.道の駅 阿武町
6.絶景のシーサイドロード
7.鉄道好きの聖地・惣郷川橋梁
8.地球を感じる須佐ホルンフェルス


このルートのほとんどが日本海側に面した海沿いの道なので「サイクル県やまぐち」プロジェクトで設定されたコースの中でも特に爽快な眺めで、人気も高いそうです。

1.JR萩駅


こちらのコースはスタート地点から見どころ満載!

JR萩駅は大正14(1925)年に建てられた大正ロマン溢れる洋館で、国の登録文化財にも指定されています(平成10〈1998〉年に復元・補強)。

駅舎の正面に見えるのは、萩市出身で「鉄道の父」とも呼ばれる井上勝の銅像。日本初の鉄道を新橋〜横浜間に開通させた人物で、明治維新前後に活躍した長州藩士「長州ファイブ」の一人としても知られています。ちなみに、展示館前にある電話ボックスは大正末期から昭和初期に設置された日本で2番目に古い型式のものだそうです。萩のハイカラさや、当時の文化度の高さがうかがえます。

2.風情ある萩の城下町


せっかく萩市街地からスタートするのだから、城下町を自転車でまわらない手はありません。海沿いの萩城跡を中心に、東側には江戸時代に毛利輝元の命によって整備された区画がいまもなお残っています。武家屋敷や商家が並ぶ風情ある通りを眺めながら自分のペースでゆっくりまわれるのも自転車旅の醍醐味ですね。


3.世界遺産に登録された松下村塾

2015年に「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された資産が、萩には5つあります。今回は、サイクリングコースからも近い2つの資産を訪ねてみました。

萩市の中心部には、サイクルエイド(自転車用スタンドがある立ち寄り施設)が5箇所も用意されています。サイクリストにとても優しい街ですね。


多くの偉人を輩出した松下村塾は、松本川を渡ったすぐの松陰神社の境内にあります。主宰したのは言わずと知れた、吉田松陰先生。“先生”という呼称がポイントで、山口県出身の人たちは必ず吉田松陰と呼び捨てではなく、畏敬の念を込めて松陰先生と呼びます。先生をつけて呼ぶ人は山口県出身の可能性大です。

それはさておき、松下村塾があるのは吉田松陰の実家である杉家の隣(吉田姓は、養子先の苗字です)。高杉晋作や伊藤博文などそうそうたる偉人を輩出してきたことで知られますが、実は松陰自身がここで教育した期間はわずか1年。実家での謹慎期間を含めても2年あまりだそうです。そんな短期間で維新政府の中枢を担う人材を育て上げたとは、松陰恐るべしです。


塾舎の東側が講義室になっています。


塾舎の隣にあるのが吉田松陰の父・杉百合之助の旧宅です。かつて松陰は海外渡航を企て、ペリー率いる黒船に乗り込みますが渡航は拒絶され失敗に終わります。辛くも死刑は免れましたが、長州藩の牢獄を経てこの家の三畳半の一室に謹慎となっていました。ここで父や兄が松陰の講義を聞き、やがて入門者が増えて私塾の形になったのだそうです。こんな狭い部屋で広い世界のことを考えていたとは…やはり松陰は偉大なる人物です。

4.山口の産業革命の象徴・萩反射炉


松陰神社を出て、自転車で15分ほどの萩反射炉も訪れてみました。幕末期に日本各地で金属融解炉のための反射炉が建設されましたが、萩の反射炉はその頃作られたもので現存する貴重なものの一つ。当時は試験炉として建造されたそうですが、レンガや石を積み上げて作ったちょっと無骨な姿からは、手探りの技術でも欧米諸国に追いつこうとする当時の人たちの情熱がひしひしと伝わってきました。

萩反射炉を出発すると、ここからは約10㎞、海沿いの道を走ります。10㎞といえばかなり長い距離に感じますが、コースは平坦で車道と歩道がきれいに分かれていて、とても走りやすいです。そして何といっても、左手には真っ青な日本海が広がっています。気持ちいい潮風を感じながら無心で漕いでいると、あっという間に次の目的地、道の駅阿武町に到着しちゃいます。

5.道の駅 阿武町


道の駅阿武町に到着しました。ここは、1991年に道の駅の実験的な施設としてオープンした施設のうちの一つであることから「道の駅発祥の地」とも呼ばれています。施設内には温泉施設や新鮮な海の幸をいただける食事処もあります。施設はサイクルエイドにも指定されているので、人も自転車もひと休みしましょ♪


海のすぐそばに建てられていて、眺めの良さはお墨付き。目の前の湾には男鹿島と女鹿島という二つの岩がぽっかりと浮かんでいます。2つの島が仲良く寄り添う姿から、カップルや夫婦の円満を願う鐘も設置されています。


施設内のジューススタンドで、キウイジュース(270円)を発見。地元の特産品キウイをミキサーにかけ、そのままジュースにしたものだそうです。喉の渇きをうるおして、ビタミンチャージ!想像していたよりも酸味がありますが、余計なものが加わっていないフルーツならではのおいしさ。キウイの爽やかな酸味と甘みが口いっぱいに広がって、なんだか元気が出てきた気がします。

さぁ、道の駅を出た時点で道のりの半分弱くらい、ここからまた海沿いの道へ。


6.絶景のシーサイドロード

道の駅阿武町を出ても平坦な道が続きます。先ほども日本海を横目に見ながらの旅路でしたが、車の通行量も若干少なくなり、いっそう走りやすくなった印象です。写真は北長門海岸国立公園近くのビーチですね。


阿武町へ向かう道中の海もとても青かったんですが、心なしかさらに透明度が上がって日本海の色もエメラルドグリーンに見えてきます。野島や宇田島など、おにぎり状の島がぽつぽつと浮かんでいるのがまたいいですね。


7.鉄道好きの聖地・惣郷川橋梁

途中、昭和8(1933)年に造られ、今では“撮り鉄の聖地”ともいわれる惣郷川(そうごうがわ)橋梁も通ります。橋梁が建つのはしぶきがかかるほどの波打ち際。


山側から見ると青い海と空、そして規則的なデザインの橋とのコラボが美しいです。残念ながら電車の通過時間ではなかったのですが、最寄りの宇田郷駅の時刻表をチェックしていけば、ドラマティックな一枚を収められそうです。

さて、ここまで道が平坦で走りやすいと何度もいってきましたが、最後の10㎞ほどはちょっとした試練が待っています。そう、山道です。海抜0mに近い場所から、一気に300mくらいの高さまで登ります。長距離を走ってきて疲れてきたころの坂道は多少ハードですが、切り立った地形だからこそ生まれる奇跡的な景色を目撃するためと自分に言い聞かせ、頑張って登ります。

8.地球を感じる須佐ホルンフェルス

峠を越え、木々の間から海がちらちらと見える頃、ようやく須佐ホルンフェルスの入り口に到着しました。


とはいえ、須佐ホルンフェルスの有名な断崖はまだ遥か下で見えません。ここからはいったん自転車を置いて、棚田を縫うように設けられた遊歩道を歩いて下っていきます。黒と灰色の岩が層をなして、海から斜めにシャキーンと顔を出しているのが分かりますか?


遊歩道を半分ほど下りたところからの眺めです。人がミニチュアのように小さく見えることからも、スケールの大きさが分かります。


お目当てのホルンフェルスの直前に、びっくりするような断崖絶壁がありました。柵などは何もなく、下を覗き見るのも足が震えるほど。サスペンスドラマのラストにも使われそうなくらいの迫力です。


須佐ホルンフェルスは約1,400万年前、大陸の縁が裂けて日本海が拡大した際、岩の層がマグマの熱によって変成したもの。灰白色と黒色の縞模様は、まるでバウムクーヘンやミルクレープのようにも見えます。日本の学術上でも極めて希少な存在で、「日本の地質百選」にも選ばれています。

今回のサイクリングコースは歴史あり、世界遺産あり、絶景ありの欲張りなコースでした。とくに、日本海を眺めながらのシーサイドロードは誰もが感動する道だと思います。道のりは長い分、その価値あり。皆さんもチャレンジしてみませんか。

■サイクル県やまぐちProject
http://cycleken-yamaguchi.com

執筆:2018年8月
※本記事の情報は執筆時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
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