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2018/11/15 【山口】長門

【まちに人あり歴史あり】 自分だけのメガネを、自分の手で作れる! メガネ好きがわざわざ通う長門の名物店

1本のメガネから始まった
ローカル発のユニークなメガネ店


長門市に“メガネ好き”がこぞって集まる、アイウェア専門店があるのをご存知ですか。その名も「ポテトめガネ」。この何とも気の抜けた店名から想像もつかない、スタイリッシュなメガネが集まることで知られ、県内はもちろん、広島や九州からもお客さんが訪れるといいます。


外見は一見、郊外でよく見るような普通のメガネ店。

がしかし、ドアを開けて入ると、アメリカ西海岸のクラフトショップのような、おしゃれな空間が広がっています。


「ポテトめガネ」が創業したのは1987年のこと。メガネの外販の会社で営業をしていた山本和利さんが弟さんと一緒に、現在の本店の近くにあった、雑居ビルの2Fに事務所を兼ねた小さな販売スペースを開きました。

「幼い頃から目が悪く、小学校時代からメガネをかけているというだけでからかわれていました。そういう経験があったからこそ、かっこいいメガネに対し憧れがあったんだと思います」と和利さんは振り返ります。

開業当時からファッション誌を眺めては、おしゃれなアイウェアに思いを馳せますが、山口の田舎の方に店があるというだけで相手にされず、取引をしてもらえないブランドがほとんどだったといいます。

そんなとき、日本での知名度は低いけれど抜群にかっこよく、和利さんが長らく憧れていたブランド「LAアイワークス」に所縁の深い営業マンが飛び込みで訪れます。聞けば広島の営業先に行った際、山陰地方で面白いメガネ店を聞いたところ、「ポテトめガネ」の名前が挙がったのだといいます。それがきっかけで、「LAアイワークス」の担当者と会うことができ、「我々のブランドを知らない大都会の店より、ブランドのことを知ってて愛してくれる店と取引がしたい」と、晴れて取引が始まったのです。それが転機となり、「LAアイワークス」が認める店ならば、と以前は断られていた名だたるブランドも仕入れることができるようになったといいます。


その思い出の「LAアイワークス」のフレームが手前のもの。「ポテトめガネ」では80〜90年代に仕入れたデッドストックも扱っていて、実際にレンズを入れて掛けることもできます。

ファッショナブルなメガネを仕入れられるようになっても、肝心のお客さんが来なければ意味がありません。そこで開業後しばらくはどこにでもある普通の安売りメガネを仕入れ、それを買ったお客さんが次に訪れた際に「実はこういうかっこいいメガネもあって…」と提案していったといいます。

和利さんは「1本のメガネを365日かけるのではなく、洋服や用途に合わせてメガネも着替えることを楽しんでもらう。今では割と普通のアイウェアの考え方を少しずつ浸透させながら、徐々に私たちが本当に売りたいデザインのメガネの割合を増やしていったのです」と語ります。


こちらは丸みを帯びた繊細なメタルフレームが女性を中心に人気を集める「BJ CLASSIC」。ピュアチタンという軽くて光沢感のある素材を使っていて、最後の検品作業は顕微鏡を使って行うほど精緻なつくりだそうです。


現在、和利さん(右)とともに店頭に立つのが息子の真一路(しんいちろ)さん。以前はアパレルショップで働いていて、6年前に地元に戻り、店を手伝っています。店内にあるかっこいいカウンターコーナーも、実は真一路さんが材料を買ってきて、自分で作ったものだそうです。見た目はストリートファッションの似合う“今どきの若者”という感じの真一路さんですが、その接客は驚くほど親切かつ丁寧で、年配のお客さんからの信頼も厚いのだそう。

真一路さんがお店で働くようになって始めたものがもう一つ。

それはお客さん自身が選んだ型と素材を使って世界で唯一、自分だけのメガネを作るメガネづくり体験です(フレーム代24,000円〜)。まずはべっ甲調など100種類以上の中から好きな素材を選びます。それに自分好みの型を写して糸のこぎりを使って切っていきます。失敗が許されないミッションに緊張しそうですが、意外に女性でも大きな苦労もなく、3時間ほどで完成させることができるそうです。


選べるフレームは、最近人気の丸メガネ風からドロップ調まで多種多様。この型自体も真一路さんが作ったオリジナルなので、他の人とかぶってしまう心配もありません。


型を抜いて大まかな面取りをした後は、真一路さんが表面を整え、日本を代表する高品質メガネの聖地・鯖江の工場に送り、市販品と同じような精度の高い仕上げを行います。


他にも、真一路さんがデザインした「ポテトめガネ」オリジナルのフレームも用意。つるの部分がWになったフィッシュテールというタイプが人気だそうです。

また「ポテトめガネ」の魅力のひとつが、センスのいいオリジナルグッズ。

こちらの手ぬぐいバッグ(1,000円)は水玉柄かと思いきや、なんと視力検査の“Cマーク”。

遊び心が効いていますね。


そしてこちらは紙袋のような質感のポテトポーチ(2,800円)。メガネケースとして使う人もいれば、化粧品などを入れるバッグインバッグとして利用する人も多いんだそうです。


お土産として手ごろでオススメなのが、オリジナル柄のメガネ拭き(350円・クリーナーミスト付き)。お気に入りの柄やプレゼントしたい方に似合う柄を見つけるのも楽しそうですね。

現在、店舗は長門市に1店舗、下関市に1店舗、福岡市に2店舗の合計4店舗。下関豊浦町店はメガネ店としては珍しく、コーヒースタンド「KAROWTO COFFEE(カロウトコーヒー)」も備えています。コーヒーの豆は、生産国の農園へ赴き、ダイレクトでいい生豆を仕入れることで知られる、福岡県久留米市のコーヒーロースター「コーヒーカウンティ」のものをチョイス。フルーティーなフレーバーが特徴で、リラックス&リフレッシュできそうです。


メガネができ上がるまでの待ち時間だけでなく、コーヒーを飲むためだけにふらりと訪れる地元の方も多いのだそうです。そういうところも、型にはまらないメガネ店のカタチを感じさせますね。


「うちは一度メガネを作った方は、次回からネットでも注文ができますが、できれば直接お店を訪れてもらって、また新しい“ポテトめガネ体験”をしていただけたらと思います」と和利さん。

旅先で作った、世界でひとつのメガネなんて最高の思い出になりそうです。大切な誰かへのプレゼントにも喜ばれそうですね。長門にお出かけの際は、ぜひ「ポテトめガネ」をのぞいてみてください。

取材時期:2018年10月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

Spot Information

ポテトめガネ

住所 山口県長門市東深川868
TEL 0837-22-5082
営業時間 10:00〜19:00
URL https://www.potatomegane.com/

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