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2018/11/16 【山口】下関

ざっくばらんに楽しめるイタリアン・ビストロ

by 山田 祐一郎
日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動。現在、主に飲食関連の専門誌、雑誌、情報誌、企業のホームページ、会社案内などを手掛ける。著書に福岡発・福岡初…

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山口県下関市の東側に位置するかつての城下町・長府。長府商店街に2005年に店を構えたのが「ビストロ まさ」です。店主・吉川さんが料理の道を志したのは中学生の頃でした。「きっかけはフレンチレストランを舞台にした人気テレビ番組でした。料理人の格好良さに憧れたんです」と吉川さんは微笑みます。


地元・山口県の高校を卒業した後は、大阪にある調理師専門学校へ入学。フレンチのコースを選択し、卒業後は大阪市内のフレンチレストランに就職。料理人の道を歩み出しました。

ところが、吉川さんに転機が訪れます。「フレンチである程度、修業を積んだタイミングで、地元で働こうとお店を探したのですが、ピンとくるレストランがありませんでした。どうしようかと思っていたところ、下関市唐戸のイタリアンレストランのシェフと思いがけず縁ができ、そこで働かせてもらうことになったんです」。

フレンチとイタリアンでは料理そのものはもちろん、調理における考え方も全く異なります。ただ、吉川さんは「そもそもフレンチの歴史を紐解くと、ルーツはイタリアにありますからね。フレンチの原点にも触れておきたいと思えたんです」と柔軟に受け入れました。およそ6年かけて、イタリアンを学び、独立を果たします。


「ずっとフレンチの店を開業するつもりだったんですが、イタリアンに触れる中で、素材を生かした素朴で、根っこのある感じが良いなと思えるようになりました」という吉川さん。下関界隈で物件を探しましたが、なかなか理想的な場所に巡り合わず、全くノーマークだったという母親の出生地・長府までエリアを広げたところ、現在の店に一目惚れ。


「基本的に自分一人で切り盛りできるサイズ感の店をイメージしていました。スタッフを雇い、教えながら育て、やや大きめの店を営むということも少しは考えたんですが、結局、自分のやりたいことが自由にできるという点で、厨房を一人で回す“コバコ”と呼ばれる形態になりましたね」と吉川さんは振り返ります。

どれにしようか選ぶ時間も
かけがえのない料理の楽しみ


こうして誕生した「ビストロまさ」の店内には、カウンター7席、テーブルは2人掛けが3つ。厨房との距離が近く、吉川さんの目が行き届くようなアットホームな空間です。


「ビストロ」という言葉には、気軽に利用できる小さなレストランという意味があります。まさにそんなビストロのイメージにぴったりなサイズ感で、肩肘張らず、日常使いできる雰囲気です。


吉川さんは「手頃な価格で、お腹いっぱい食べてほしい。フレンチのように、少しずつ、いろんな料理を食べるというのも楽しいとは思いますが、僕のお店では、大皿料理を豪快に取り分けてがっつり食べるというイタリアの感覚で楽しんでもらえたらうれしいです」と晴れやかな笑顔を見せます。

フレンチを知り、イタリアンを表現する吉川さんらしい、思いの詰まったビストロ。初来店なら、ぜひランチへ。「ビストロ まさ」の代名詞とも言えるパスタランチは、ペペロンチーノ、明太子のオイルソース、カルボナーラ、ミートソース、アマトリチャーナ、日替わりという全6種で、いずれもたっぷり野菜に自家製のパン、スパニッシュオムレツなどが盛られたワンプレート付きで1,000円という充実ぶりです。


「厨房は一人ですし、6種用意するのはオーダーが集中せず、バラけるので確かに手間はかかります。しかし、これらのパスタはいわゆる王道の味。自分自身、基本を再確認し、鍛錬にもなると思って続けています。基本がなければ応用もないですから」。何事も基本を大切にする吉川さんらしい考えが表れているように思いました。写真のパスタはアマトリチャーナ。トマトのやわらかな甘みがタマネギにしっかり合わさり、しみじみ美味しいなと吐息が漏れます。

夜のメニューは吉川さんの真骨頂。基本的にはアラカルト中心のボリューム感を出した大皿形式で、取り皿によそって楽しみます。コースはパスタコース1人2,000円、おまかせコース1人3,500円、ビストロコース5,000円(2〜3人前)というラインナップで、ビストロコースは取り分けて楽しむお得感満点な内容です。「アラカルト中心にしているのも、コースに所々プリフィックス(選択方式)にしているのも、根底にある思いは同じで、食べたいものを思う存分食べてほしいということなんです。例えばコースを頼むと、自動的に料理が出てきます。それはそれで良いのですが、僕の店では、能動的に食べたいものを選んでほしい。どれにしようかなというように食べたいものを選ぶ瞬間も、料理の楽しみだと思っていますから」と吉川さんは言葉に力を込めました。


イタリア産に特化したワインもリーズナブルな価格設定。1人より2人、2人より3人のほうが、「ビストロ まさ」で過ごす夜の時間は、いっそう楽しくなりそうです。もちろんカウンター席もしっかり用意してあるので、気さくな吉川さんと談笑しながらの1人ご飯も豊かなひと時になりますよ。

取材時期:2018年10月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

取材・文:山田 祐一郎
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Spot Information

ビストロまさ

住所 山口県下関市長府中浜町7-3
TEL 083-245-3650
営業時間 11:30~14:00(L.O.)、18:00〜21:00(L.O.)
定休日 月曜日

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