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2018/12/10 【山口】柳井

From seed to cup. スペシャルティコーヒーのみを取り扱うカフェで感じた、産地の風|フジヤマコーヒーロースターズ

by 藤本 雅文
東京都出身。広告制作会社と編集プロダクション勤務ののち、3年前に山口県・周防大島へ移住。現在、フリーの編集者・ライターとして、広告や出版物などの企画・編集・執筆…

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三度の飯より珈琲が好きです。

朝目覚めて、まずやることは珈琲を淹れること。沸騰したお湯を冷ましている間(90℃くらいなるまで)に、中挽きの珈琲豆をフィルターに多めに入れ、ゆっくりと濃い目にドリップします。この一連の所作と時間がなかったら、どうやって1日をはじめていいのか分かりません。

とは言っても、そこまでこだわりがあるわけではなく、珈琲の苦味と最低限の香りがあれば、満足。珈琲を淹れること、それをあれこれ考えながら飲む時間が好きなだけ、でした。藤山夫妻と出会う前までは……。

 

珈琲に魅せられた夫婦がはじめた喫茶店

2018年9月、山口県柳井市にスペシャルティコーヒーのみを取り扱うカフェ兼焙煎所「フジヤマコーヒーロースターズ(以下、F.C.R)」がオープンしました。

オーナーの藤山夫妻は、ともに珈琲のスペシャリスト。ご主人の博康(ひろやす)さんは焙煎士として、奥様の舞(まい)さんはバリスタとして、福岡・大阪とそれぞれの場所でキャリアを積んできました。

聞けば、二人の出会いも珈琲を通して。「大阪のカフェで働いていたとき、お店で出す珈琲豆の仕入れ先を探していて、主人を紹介されました」(舞さん)と言います。

博康さんは当時、福岡の喫茶店で店長兼焙煎士として働いていました。焙煎士になろうと思ったきっかけは、「珈琲が好きで、小さい頃から自分のお店を持ちたい」と思っていたから。

一方、舞さんはイタリアのBAR(バール)に憧れ、大阪の一流ホテルを経て、ベーカリーカフェに勤務。「ふらっと立ち寄って、珈琲片手に一息つけるお店がいつかできたら」と思っていたそうです。

そんな二人の夢を形にしたお店。それが、スペシャルティコーヒーのみを取り扱う「F.C.R」です。

【入り口の脇に並ぶ賞状。舞さんは『ジャパンブリューワーズカップ2017全国7位』。『ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ2015全国7位』の博康さんは、専門的技能者としてコーヒーの評価をすることができるQ グレーダーの資格も持つ。】

 

スペシャルティコーヒーとは?

スペシャルティコーヒーとは、そもそもどんな珈琲を指すのか?開口一番、博康さんに聞いてみました。

「とても説明しにくいんですが(笑)、分かりやすいところだと、珈琲豆の栽培からカップに注がれるまでの全工程において品質管理が徹底していることがあげられます。これを『From seed to cup』と言います。この言葉には『テロワール』『カップ・クオリティ』など、風味や感性にかかわることも含まれてきます。つまり、豆(種子)の特徴がカップの中の液体に正しく表現されていて、それが飲んだ人にも伝わる珈琲なんですが……んー、分かりにくいですよね?飲んでいただければ分かるかもしれません」。

そうして淹れてくれたのが、「エチオピア・アラカ農園」の珈琲豆(ウォッシュド)を使ったもの。本当に分かるだろうか?おそるおそる一口……!!!

嘘のような本当の話……分かった気がしました。
エチオピアの風がふわーっと駆け抜け、みぞおちのあたりにすーっと溶けていったのです。

先に、アラカ農園の写真を見ていたこともあるでしょう(豆の容器に貼ってあった)。1日に最低4〜5杯は飲む無類の珈琲好きということもありましょう。

あくまで主観ですが、スペシャルティコーヒーを私の独断と偏見で言葉にすれば、

生産地の土の匂い、照りつける太陽、土地に吹く風をまとい、
そこに住んでいる人、作り手の笑顔さえも
すとーん、と手のひらのカップの中に詰まっている。
そんな珈琲じゃないか?だって、そんな珈琲だったから。


それを伝えると、博康さんが満面の笑顔で一言。「踏み入れてしまいましたね」。

【エチオピア・アラカ農園のコーヒーチェリー(コーヒーの実)。これを洗浄し、天日で乾燥させたものが、生豆として流通する。藤山夫妻は現地を訪れ、栽培から生産までの工程を確認し、直輸入している。】

 

心地よい風が吹く、ほっと一息つけるカフェ

F.C.Rは柳井市街地の近くにありながら、山や畑など自然が残るのんびりとした場所にあります。舞さんが窓を開けると、店内に気持ちいい風が吹き抜けていきます。

店内は広々としていて、一席一席のスペースもゆったり作られています。

「お一人でゆっくり過ごしたい方、お子さんを連れたファミリー、会話を楽しみたい方など……それぞれが干渉しないように店舗を設計してもらいました」(舞さん)。

定番のモーニングは『ラピュタパンセット』(税込650円)。

「私も主人も『(天空の城)ラピュタ』が好きで。主人公のバズーの食べていたパンが美味しそうだったので、再現してみました(笑)。目玉焼きの下に、角切りベーコン、玉ねぎ、自家製ベシャメルソースをしのばせています」(舞さん)。

豆の選別・焙煎、珈琲の淹れ方、店舗の作り方、一つひとつのメニューにいたるまで、丁寧に作り込まれているF.C.R。

ここにはいつも心地よい風と、珈琲豆の産地の風が吹いています。



【フジヤマコーヒーロースターズ】

●本店
所在地/山口県柳井市柳井4827-2
営業時間/8:30〜17:00
定休日/不定 ※SNSをご確認ください
FB/https://www.facebook.com/fujiyamacoffeeroasters
URL/https://fcr.theshop.jp

●やない白壁出張所
所在地/山口県柳井市柳井津451-1
営業時間・定休日/不定 ※SNSをご確認ください

取材時期:2018年11月
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。
最新の情報は直接各スポットへお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

 

取材・文:藤本 雅文
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Spot Information

フジヤマコーヒーロースターズ

住所 山口県柳井市柳井4827-2
営業時間 8:30~17:00
定休日 不定休 *SNSをご確認ください
URL https://fcr.theshop.jp

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